以前に、誤診確率を大きく下げるため、ルーティン検査ではない甲状腺機能検査をする医者の信頼度は大きいと書いた。
けれども、これからはそれだけでなく、糖質制限に関する知見の違いが診断と治療に大きく関わってくることが必至なため、あらゆる分野の医師たちの二極化が進むと感じている。
★「糖質過剰症候群 ~あらゆる病に共通する原因~」
清水泰行著 光文社新書 2019.5.30.第1刷
この書籍は過去にも紹介したことがある。
世界中の文献を咀嚼しつくして見いだした結論が、タイトルになっている。
糖尿病だけでなく、認知症、緑内障白内障などたいがいの眼疾患、循環器疾患、整形外科領域、うつ病などの精神科領域、女性疾患、男女ともに不妊症、ニキビやイボなど皮膚疾患、なんと甲状腺機能低下症、がん、脂質異常などなど、これはもう医療の全分野に及んでいると言ってもイイくらい、糖質過剰症候群が関与していると思われる。
つまり言い換えると、糖質制限をするだけで、痩せるだけだなく、以上の病気を予防できる可能性が高くなるということで、こんなにオモロイ話が他にあるだろうか。
すべての説に、著者の読み込み根拠となった文献が直下に記されており、その説得力が半端ではない。
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となると、既存の患者たちがこうした書籍を知った場合に、糖質制限をやってみたいと思うヒトが増えるだろう。ところがそれまでの主治医が、糖質制限を否定した場合、患者たちは糖質制限を認めている医療機関を探すようになるのは必然となり、医療に関わる医師たちの、糖質制限に関する二分化が進むことになる。
このような状況が進み、他者に先んじて糖質制限を大々的に標榜する病院が現れると、賢い患者たちが殺到するようになると思われる。その場合、賢い患者たちは痩せる上に、病気で服薬している薬が減ったり、なくなったりするだろう。