なにやらキッチンからガサガサと音がしている。ゴキブリかネズミでもいるのだろうか? そんな風に思わせる音だ。TV東京の「ひとりキャンプで飯を食う」が終わってから、キッチンを覗いてみた。
洗い物カゴの下に、銀色のアルミホイルに覆われたトレイが目に入った。
夕方にスーパーで見つけたアサリの、砂抜きをしていたのを思い出した。
異音の元は、アサリが噴き出す潮の音だったのだ。
料理家の栗原はるみが、TVでこう言っていたのを真似ようとしたのだった。
「スーパーで偶然にも粋のよいアサリを見つけたら、いつも大量買いしてしまいます。アサリは、常に手に入ると限りませんから。そうしたら、冷凍保存しておけば、いつでもおいしく頂けますよ」
オイラは少しのアサリしか買わなかったが、冷凍したアサリは調理のときに蘇るのか知りたいのと、スマホで見つけた砂抜きの仕方、塩小さじ1/300ml水がホントウに適しているのか、砂抜き3時間での砂の抜け方が確実なのか、などなど知りたくなって、そうした実験も兼ねていた。
キッチンで異音がしたように、潮の吹き方が盛んだったので、塩小さじ1/300ml水が適度な濃度であることは正しいようだ。他の事項は、解凍して調理し、食してみないことにはわからない。
それと、他にも次のことが疑問だ。
栗原はるみは、アサリを砂抜きしてから冷凍するのか、それとも解凍してから(アサリが生き返るのなら)逐一砂抜きするのか。恐らく前者かも知れないが、大量に買って一度に全部のアサリを砂抜きするのは、バカにならない広い場所が必要になるように思える。それとも、アサリを入れたトレイを縦にクロスして重ね、スペースを稼いでいるのだろうか。
砂抜きしたアサリを、ボールとざるを使ってよく洗い、ジップロックに流しこみ、封をせずに二つ折りにして冷凍庫にしまった。