今年のノーベル化学賞をリチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰氏が受賞したことで、10日の東京株式市場では、旭化成などの関連銘柄に「ご祝儀買い」が集まったようです。
同日から始まる米中閣僚級貿易協議への様子見ムードが強まる中、日本に届いた明るいニュースに個人が飛びつき、旭化成の終値は前日比19円50銭高の1125円で、出来高は1900万株を超え、10月の前日までの平均出来高の6倍強に膨らんだそうです。
取引開始直後には東証1部の売買代金トップとなる場面もあったそうです。
ノーベル賞効果はリチウムイオン電池の関連銘柄全体に広がり、リチウムイオン電池に使う正極材を作る田中化学研究所は一時11%近く上昇し、セパレーター(絶縁材)を手がけるニッポン高度紙工業、導電助剤を作るデンカのほか、古河電池も上昇が目立ったようです。
一方、日経平均株価の10日終値は前日比95円60銭高の2万1551円98銭で、東京証券取引所1部の売買代金は約1兆8千億円と、活況の目安となる2兆円を割り込んだそうです。
マネックス証券の益嶋裕マーケット・アナリストは「市場全体が盛り上がりに欠ける上、米中貿易協議を見守る向きが強い中、個人が明るいニュースに反応した」とのことです。
株式市場では毎年、ノーベル賞発表の時期が近づくと、個人投資家が値上がりが期待できる銘柄を物色する動きがみられるそうです。
書店チェーンを運営する文教堂グループホールディングスもそうした銘柄のひとつで、これまで村上春樹氏のノーベル文学賞受賞への期待が高まると買われ、受賞を逃すと売られてきたそうです。
昨年はノーベル文学賞がスキャンダルのため見送られた経緯もあり、今年3月には「今年は予定通り発表される」と報道されただけで同社株が大幅高になったそうです。
「ご祝儀買い」で終わらないといいですね。
そのうちご祝儀感が薄れて、株価も下がってしまうと悲しいですね。
3407:1,125円(+1.76%)、 4080:873円(+5.69%)、 3891:1,277円(+2.41%)、
4061:2,940円(+1.73%)、 6937:620円(+3.85%)、 9978:215円(-4.44%)