冒頭、いきなり実在する(?)農家の老女の書いた遺書。やがて、惚けてしまった(と思われる)作家の直さない作品の、わけのわからない文章。そして、精神疾患な息子を抱えていた老いた母親の書いた、死の直前まで書かれた餓死日記。次はいきなり、スティーブ・ジョブスの講演。途中飛ばして(まだ読んでないので)、最後には、素人の書いた吉里吉里国の憲法を紹介している。
★「間違いだらけの文章教室」
高橋源一郎著 朝日文庫 2019.4.1.第1刷
上のどれを読んでも、ハッとさせられる文章を紹介しており、それを著者はいろいろな角度から、どーしてこんな文章が書けたのか分析している。小説を書いてみたいと思う人には、おそらく無尽蔵と言えるほどヒントが満載なのではなかろうかと、オイラは思った。
★「面白いとは何か? 面白く生きるには?」
森博嗣著 ワニブックスPLUS新書 2019.9.25.初版
実は源ちゃんの書籍より、先に森博嗣の書籍を読んだ。前半のユーモアの解析めいた部分は、スペイン酒場で知り合った森さんから頂いた「のらくろ」作者の書籍を読んだことがあって、重なる部分が多かった。参考になったのは、エンタメを書くときのオキテ風な箇所。オイラの書いてみたい小説というのが、この御法度に全部、しかも完璧に触れているとわかって、興奮している。もちろん、書いても通る保証はないし、さらに万が一通っても売れる保証はもっとない。オマケに出版されたとしてもその途端に、行方不明にされてしまう可能性だってある。
想像すればするほど、小説を書くなんてことは無謀だし、デビューできたとしても売れ続けることなんてのは、限りなく難しいことに思える。しかも、ただでさえ出版不況だというのに。
でも、いろいろ考えるだけでもオモロイのだから、しょーがない。