光文社書籍に関連した書籍が何冊か見つかり、手当たり次第に購入した。
発行年月順に並べて、一番古いものから読み始めた。
★「炭水化物が人類を滅ぼす ~糖質制限からみた生命の科学~」
夏井睦著 光文社書籍 2013.10.20.初版1刷 2014.1.25.7刷
この著者は、糖質制限のパイオニア的存在である江部康二医師の筆頭舎弟とみた。実際に、江部医師とは交流があるという。また、「傷は絶対消毒するな」という湿潤系創傷治療法を編み出した医師だという。
序盤は、自身が糖質制限を試みて成功した話から始まり、冗談もさえていて気楽に読める書籍なのかと思いきや、中盤から、穀物生産の歴史やら、草食動物と肉食動物の消化様式の違いなどなど、内容が濃く読み応えのある話が展開されていき、なかなかスイスイと読み進むわけにはいかない。どうしても途中、何度か気絶してしまう(難しいので寝てしまうという意味)。
やっともう少しで読み終わるのだが、この著者の博識ぶりには驚かされる。
パンダは肉食動物だったのに、どうして竹を食すようになったのかの件はオモロイ。このまま人口が増加していくと食糧難なるのは必至、その危機に対する突破口はパンダにあるのではないかというのだ。セルロースを分解できる腸内細菌の話になってきて、ヒトでも十分にあり得る話に聞こえてくる。というか、青汁だけ食して生活しているヒトが紹介されてもいる。そういえばかつてTVで、タロイモだけで生活しているどこかの原住民の話を視た。これもやはり、肉がなくってもタロイモから腸内細菌によってアミノ酸を作り出しているという理屈がミソだった。
このように食糧難に対峙する発想などなど、糖質制限のみならず、いろいろなことに考えが巡り出すこと必至な書籍だ。