15日の東京株式市場で、前日の取引時間終了後に平成31年３月期決算と令和２（2020）年３月期の減配方針を公表した日産自動車の株価が急落したそうです。
一時、前日終値比8.0％安まで下落して今年の最安値を更新し、終値は6.5％安の785円80銭だったそうです。
同社の平成31年３月期決算が大幅減益になることは、２度の業績下方修正ですでに伝わっていましたが、令和２年３月期予想で最終利益は46.7％減を見込むなど当面、業績改善が難しくなったようです。
日産の西川広人社長は14日、事業構造改革計画を発表し、令和５年３月期の売上高目標などを下方修正するとともに、余剰生産能力を10％縮小するといったリストラ策も盛り込んだそうです。
世界で4800人の従業員を削減し、年300億円のコスト抑制効果につなげるとしましたが、株式市場の見方は依然、厳しいようです。
日産は筆頭株主の仏自動車大手ルノーへの配慮からか、配当による株主還元を重視してきており、株価に対する配当額の比率の高さが魅力となり、長期保有志向の個人株主に人気でしたが、令和２年３月期の１株当たり年間配当は前の期から17円引き下げ、40円とする方針だそうです。
ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表は、「業績悪化で高配当を続けられる状態ではなく、市場もある程度の減配は織り込んでいた。株価が下がり過ぎると経営陣の責任論になるため、日産のキャッシュフロー（現金流量）などからみてまだ高い水準の40円にとどめたのだろう」と指摘しているそうです。
配当金が40円なら、今日の終値でまだ配当利回りが５％を超えていますね。
これでもまだ他企業に比べれば高いと思いますが、今後さらに業績が悪化するようだと、さらなる減配も予想され、さらに株価も下がる、という悪循環になっては困りますね。
7201：785.8円
