大御所の退院

元祖SHINSHINさん
元祖SHINSHINさん
しばしば見舞いに行っていたが、インフルエンザが猛威を振るい面会は禁止された。

整形外科医から言われていたのは、高齢者が入院した場合、次の点が懸念になるという。
①筋力低下による、寝たきりの発生
②入院生活の影響で、見当識障害・認知機能低下

大御所の場合には、リハビリによって①は防ぐことができた。しかし、当初から②に問題があって、精神安定剤を処方するようになったと外科系のY医師は言っていた。

およそ40日の入院生活を終え、今は自宅へ戻ってきている。
やはり、②の問題は継続しており、以前とは違う状態になっている。
時間感覚が失われており、オイラが仕事に出かけていることもわからない状態だった。が、今は少しずつ改善がみられるようになってきている。

デイケア・マネージャとは頻繁に連絡を取り合い、介護認定の確定に向けて前向きなケアを施していこうと企画している。玄関には臨時手すりが、室内には小型の歩行保護器具が、寝室には電動ベッドが、レンタルで備え付けられた。ありがたいことに、かなり安いレンタル料になっている。
また、オイラの仕事の出勤日に、夕方だけオカズ弁当を取るようにした。

    *

一昨日、内科のT医師を受診した。
受診前に甲状腺機能検査ができるか問い合わせ、できるというので、本人を連れて受診した。出かける前に、簡易式腕時計タイプの血圧計で測定すると、102-61mmHg、脈拍が83になっていた。三日前から降圧剤を止めているのに血圧が低すぎる。それで、甲状腺機能低下を疑ったのだった。鬱っぽい症状もあったから余計に。あるいは、単純に降圧剤により血圧が下がりすぎ、脳血流が鈍って認知障害が出ている可能性もある。

ここまでは、「たけしの家庭の医学」の症例とそっくりな流れになっている。あの症例も、背骨の圧迫骨折から始まった話だった。

T医師に言った。降圧剤の中止、それにもう、ファモチジンも高脂血症薬も高尿酸血症の薬も中止して、花粉症の薬だけにしたいと。事情を知っていたT医師は即座に同意してくれて、すべてオイラの希望どおりにしてくれた。ただ、降圧剤の残存作用で、この後、血圧が反転上昇してくるから、血圧をよく測定して、目安を150mmHgに置くようにしてみようというアドバイスをいただいた。高齢者の血圧を下げ過ぎちゃイケナイもんな、とT医師は言った。

T医師もY医師同様、たいへんな大御所で、ひょっとしてもう80歳に近いのかもしれない。二人とも、驚くほど健在で生き生きといている。オイラはこの二人の大御所と、どーも気が合うようで、話していると楽しくてしょーがない。今日のT医師への受診も、オイラの冗談めいたマシンガントークが炸裂したのだが、すべてズバズバと受け止めて応酬してくる。まるで漫才のようだった。ほんの5分で、すべての段取りがついた。その後、甲状腺機能検査のために、採血室へ向かったのだった。

結果が出て、もしも異常が見つかったらすぐにでも投薬が必要になってくる。その場合には、すぐに処方箋をオイラ勤務している調剤薬局へファックスできるよう、名刺を置いてきた。もちろん、異常がない可能性もある。けれども、こればかりは検査してみたいとわからない。この検査なしに、正しい医療を行うことができない。

「たけしの家庭の医学」を視て、特に老人医療の場合には、内分泌系の検査をまず主軸に置くべきではないか。そーすれば、誤診の発生を大きく減らすことができるように思える。








    
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