先週末のNY市場は大幅に反発しましたが、これも乱高下相場のうち。
米中貿易戦争終結に向けた交渉に進展が見られたという報道がきっかけとなり
急落後の自律反発がややオーバーシュートした結果だと考えています。
しかし貿易戦争が一段落しても、次は東シナ海や南シナ海の領土問題
さらにはスリランカに代表される中国の侵略行為に対して
トランプ政権が待ったをかけるのは必至だと思います。
つまり米中貿易戦争は中国の覇権主義を潰す手段であって
目的ではないと考えており、今後地政学的リスクの高まりによって
金融市場の混乱はまだまだ続くと予想しています。
因みに最近の急激な円高の原因は、世界的な株安もありますが
市場が米中冷戦の長期化を懸念しているためだと認識しています。
2019年の東京株式市場は、こうした劣悪な環境でスタートしましたが
①日経平均株価が歴史的な安値圏(低PER)にあること
②裁定買い残が急減していること
③海外勢の売り越し額がアベノミクス相場開始以来最大であること
などを考えると、買い方にも充分チャンスはあると思います。
ただ為替が円高傾向でしかも不安定であることや
欧米の景気減速、中国の景気後退懸念などから
輸出比率の高い銘柄は苦戦を強いられる様な気がします。
従って「輸出比率の高い銘柄」は勿論のこと
「景気敏感株」=鉄鋼、化学、紙・パルプといった素材産業や
工作機械をはじめとした設備投資関連への投資はなるべく抑えて
内需のテーマ株にウェイトを置く方が賢明だと考えます。
そうなると、やはり内需の国策銘柄が第一選択になりそうですが
国策があまりに多過ぎるのでセクターも銘柄も絞り込むのは至難の業です。
そこで国策を短期・中期・長期に分け
2019年は短期国策銘柄を中心に攻めるといった工夫が必要だと感じています。
(ご参考)「人気テーマベスト30:株探 1/6」
https://kabutan.jp/info/accessranking/3_2
人気テーマの順位は日々変わりますが、少なくとも量子コンピュータや
電気自動車(全固体電池を除く)などは長期テーマなので
今回のベスト30から漏れているのだと思います。
一方短期テーマとしては①消費税増税②外国人労働者③新元号関連などが
注目される領域ではないかと考えています。
以下は私見ですが・・・・・
①「電子決済・QRコード・セルフレジ・システムインテグレーションなど」
②人材派遣業の中でも特に人手不足が深刻なセクターや
外国人労働者の派遣に力を入れている企業への投資が有望かと
https://shitekabu-navi.com/haken/
③主に印刷業が注目されそうですが、選挙関連と同様需給相場だけに
長続きしないことを考慮して高値掴みに要注意です(私はスルーします)
④ディフェンシブセクターとして「国土強靭化関連」を考えています
<まとめ>
何れにしても今年は需給よりファンダを優先する方が無難だと思います。
2019年はFRBに続き、ECBも金融引き締めへ向かいます。
従って、リーマンショック以降続いた「過剰流動性相場」は影を落とし
その結果、国策銘柄でも業績が伴わない銘柄は置いて行かれる様な気がします。
また需給優先で上げた高PER銘柄は機関投資家による空売りの標的になりやすく
余程成長性が期待出来る銘柄(特殊技術やオンリーワンなど)でなければ
高配当且つ好業績の銘柄を優先するべきだと考えます。
ただ今年は昨年以上に難しい相場展開になりそうですが
下げ続ける株はありませんから、理不尽な売られ方をしている銘柄は
絶好の買い場になり得ると思います。
(ご参考)「2018年 年初来高値からの下落率ランキング」
この中から売られ過ぎの優良銘柄をピックアップするのも一考かと
http://wwwからkabudragon.com/ranking/yh_sage.html
PS:
添付資料に記載されている銘柄は、必ずしも全て推奨銘柄とは言えませんので
銘柄選択は必ずご自身で調査分析されるようお願い致します。