8/28(火)、TV東京の深夜番組で表題の職業を知った。
例えば、死んだ祖母の作ってくれたハンバーグをもう一度、食べたい。
すると、表題の調理人がやってきて、もう一度食したい希望者からいろいろ聴取し、トライ&エラーの末、「あの味を100%再現」してくれるという。
希望していたのは、まだ20代の青年。
家庭に不和があって、お祖母ちゃん子だった彼は、
いつも優しくしてくれて、他界してしまった祖母の作るハンバーグの味を
もう一度、味わってみたいというのだった。
味の再現調理人は、中年の女性だった。
なんとなく、梶芽衣子に雰囲気が似ている人だ。
「お祖母ちゃんの身長はどれくらい?」
身長から手の大きさを割り出し、作っていたハンバーグの大きさを想像する。
「お祖母ちゃんが、よく買いに行っていたスーパーはどこ?」
依頼者と連れ立ってスーパーに向かう。
すると、ケチャップベースのソースだというので、
そのコーナーに行くと、見たことのあるような容器があると気が付いて、
そのトマトピューレも買い込んでいた。
また、フライパンで焼くハンバーグではなく、どうやら煮込みハンバーグということも判明したりする。
どうしてもトライ&エラーが必要ということで、
かなりの材料を買い込んでいた。
1回目の試作品は4品だった。
合いびき肉+粗びき胡椒、同+細引き胡椒、あと2種類は不覚にも記憶できなかった。
しかし、このうちの一つが、ほぼ95%再現していると依頼者は言う。
2回目のトライ&エラー。
色がもっと白っぽかったという依頼人の意見を尊重し、
合いびき肉の豚の割合を増やしてみた。
ところが結果は、意外にも85%の再現率に下がってしまう。
3回目のトライ&エラー。
肉汁が多すぎるというので、味の再現調理人は考えに考え、
「空気抜きをやらない」方法で、ハンバーグを煮込む。
そうすると、ハンバーグの中にある空気が膨張し、身が崩れて隙間ができる。その隙間から肉汁が流れ出し、少しパサついた食感に代わるはずだと、味の再現調理人は踏んだのだった。
結果、ひと口食した依頼人は、しみじみとつぶやくのだった。
「これです・・・・・・。100%再現できています」
*
味の再現調理人という職業があるのも驚きだったのだが、
それよりも、オイラのような調理素人から見ると、
ハンバーグの作り方をこれだけアレンジできてしまうプロ魂に魅せられた。
最後の段で、プロの領域だとあえて失敗する調理方法を想像して、
結果を的中させるという部分に、感動を覚えた。
この味の再現調理人は、ハンバーグだけで仕事しているわけではない。
他にもいろいろな味の再現をしてきたという。
この人の仕事ぶりが書籍になったら、オイラは絶対に買う。
ロングセラーになるかもしれない。
そんなオモロサを、予感してならない。