石原慎太郎の書いた「天才」が好きだった人ならば、
表題の書籍もきっと気に入るはずだ。
★「読書という荒野」
見城徹著 幻冬舎 2018.6.5.第一刷 2018.6.15.第二刷
酒場でも、人の話を聞くのが好きだ。
それが自慢話でもかまわない。
いや、自慢話ほどオモロイものはない、と常日頃から感じている。
さらに突き詰めると、それが案外ホラ話であることも多いのだが、
それでもオモロイものは、オモロイ。
小説なんか嫌いだとイイながらも、
なんだかんだ読んでしまうのも、そういう要素が大きいのかも知れない。
この作品には、見城徹の私小説的要素があるのだが、
なにしろ編集の仕事をしてきた人なので、
必然的に付き合いのあった作家たちが、ぞろぞろと登場してくる。
まず、その描写がどーしてもオモロイ。
中上健次、五木寛之、団鬼六がオイラのお気に入り。
そして、見城が読んできたお薦め書籍と、書評がオモロイ。
7割方は読んだことのある作品なので、そーいう書評をするのかと思わされることもあるし、中には読んだことのない書籍があって、その書評振りから影響を受けて、是非読んでみたいと思う作品もあってオモロイ。
そして、最後には見城徹という男の気質がよく理解でき、
気がつくとすっかり見城を気に入ってしまっている自分に気がついて、
これまたオモロイ。
いやー、こんな男と酒を交わしたら、
いつまで経っても飲んだくれてしまうに違いない。
オモロすぎて、肝臓が危ない。。