そして、つきすぎた内臓脂肪が引きおこすこと。
インスリンの効き目を悪くして血糖値を上げてしまい、
血圧も上がる方向に動き出し、
動脈硬化を進行させて心臓や脳が危険になり、
不妊症にも関係し、
発がんリスクも大きく上昇していくという。
医学研究が進んで、このようなことが明らかになってきたという。
★「内臓脂肪を最速で落とす ~日本人最大の体質的弱点とその克服法~」
奥田昌子著 幻冬舎新書 2018.1.30.第一刷 2018.4.25.第五刷
冒頭で述べたことが、書籍前半で語られる。
勉強になるのだが、総じて炭水化物よりも
脂肪に対して悪的表現をとっている点が気に入らない。
後半では、対処法としてカロリー制限しながら運動をうまく取り入れるという、
今までよく書かれてきた、古典的ともいえる記述にとどまってしまっている点も、
新味にかける。
結局この書籍のよさは、
内臓脂肪が引きおこす悪影響を、さまざまな研究結果を基に解説している点、
日本人最大の体質的弱点が、内臓脂肪の増加に集中している点、
また、古典的表現をしている部分にも、最新の研究結果を盛り込んでいる点、
この三点を明確にしたことにあると思われる。
いまや人びとは、忙しすぎる。
運動に毎日1時間割くことのできる人は、少ない。
この点をブレイクする何かがあれば、もっと素晴らしい書籍になり得たと思われる。
たとえば、徳島名産のスダチに関してデータ開示するとか。
どーして徳島県人は肥満率が全国平均を大きく下回っているのか。
スダチ農家の人びとに、肥満がいないのはなぜなのか。
こうしたスダチ・ブルースが盛り込まれていたら、もっとオモロかったはずだ。
第二のスダチは存在するのか、そんな切り口も欲しかった。
そうはいっても、
再読に値する書籍だと思うので、オイラはこの書籍を保存する。