年会費14,000円+当日実費というスタイルで、
今までとは違う手法で調理された牛ステーキが味わえるという。
その手法とは、牛肉ブロックをパウチ袋で密封し、
60℃に保たれたお湯の中に浸して、ゆっくりと熱を通すという方法。
「こんな肉は今までに味わったことがない」
などという、顧客の声が流されていた。
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調理初心者は、きっとこう考える。
牛ステーキなんて、焼き肉屋で肉を焼くのと変わらないんじゃないの?
オイラも当然のごとく、1回目はそんな風に考えて焼いてみた。
フライパンに油をひき、塩こしょうを振った肉をとにかく焼いてみる。
はやく表面に焼きを入れようと、強火で焼いてみる。
数分でひっくり返すと、みろ、イイ焼き色が付いている。
頃合いをみて再度ひっくり返すと、やはりイイ焼き色が付いている。
包丁で肉の端を切り、一口ほおばってみる。
『硬いな。まだ中は赤いし、きっと加熱が足りないんだろう』
さらに加熱すると、どーなるか。
たしかに中身はミディアム風な色あいになるのだが、
再度一口ほうばってみると、カチンカチンな肉塊とかしてしまった
牛ステーキに出会えるはずだ。
こんな牛ステーキとは、絶交しないといけない。
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なにかが間違っている。
ネットで調べると、有効と思われる焼き方をみつけた。
「決定版 スーパーで買ったステーキ肉を自宅で完全なうまさで焼く方法」
翌日、職場の料理名人にインタビューしてもみた。
このネット情報と、同じ手法で焼いているとわかった。
肉の厚みが1cmならば上下各1分、3cmなら各3分という具合に、
「中火で」焼きを入れる。
ネットと異なり、オリーブオイル、バターと酒を適量フライパンに投入し、
フライパンにフタをして蒸し焼き風にしてみた。
(恐らく、これで冷凍肉もダイレクトに焼けると思う)
今回は肉の厚みが2.5cmのオージービーフ。
上下2分30秒の焼きを入れてから、ネットのように肉をアルミホイルで包み込んで、
10分間寝かせ、余熱で中まで火を通した。
かなり冷めてしまっていたが、
出来上がりはネットと同じく、中心部は鮮やかなピンク色になっており、
一口食してみると、完璧な柔らかさになっていた。
冷めていたので、再度少し熱を入れようかとも思ったが、
今回はやめておいた。
出来上がりがローストビーフ風になっているので、
日をおいても、美味しく食べられると思われる。
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「余熱で10分間、中まで火を通す」というのが、
冒頭に紹介した「60℃で肉に火を入れる」というのと通じている部分だ。
これがあるから、やわらかな食感が生まれるらしい。
ひとつ、ひとつ、確実に実践を重ねていけば、
その内に、平野レミみたいになっているんじゃなかろうか。
注:ここでも、セレンディピティが起きている。
たまたま帰宅したら、新手のステーキハウスの話が流れてるなんて、
出来すぎだろう。