それがため発症してこなかった花粉症にも、とうとう罹患するようになった。
花粉症の時期になると、喘息になったりすることもある。
なので通年、市販のフェキソフェナジン錠と点鼻薬を服用するようになった。
きちんと服用していると、嗅覚と味覚が復活することが多く、
またその際に食材を口にしたときには、
飢えた狼がそうしたときのように、特に味覚が鋭敏になっている。
少しでも空いた時間ができると、
自作体験したことのないソースの味を知りたくなる。
トースターの中に、なぜかトーストが一枚、ぽつねんと佇んでいるのを視た。
誘われているような気がして、レモンマヨソースを作ろうと思った。
マヨネーズ:大さじ1・1/2、レモン汁:大さじ1、
レモンの皮のみじん切り・パセリのみじん切り:各適量、
砂糖:小さじ1/2、塩・粗びきこしょう:各適量
というのが知ったレシピなのだが、
レモン汁をポッカレモン適量、レモンの皮のみじん切り省略、
パセリは庭に植えてあるバジルにして、
そして、書いていて気がついたが、
ホントウはひとつ上のレシピ(ガーリッククリームソース)に書いてあった、
タマネギのみじん切り(1/4個)、これも加えて作ってみた。
レシピを変形、しかも間違って入れたというタマネギ入りのレモンマヨソース、
佇んでいた冷めたトーストに塗りたくって口にしてみた。
絶品としか言いようがない。
最初にマヨネーズの旨味を感じ、
ついで酸味・甘み・塩・こしょうの複合した風味と、
バジルの香りが襲ってくる。
噛みくだくと、タマネギの生な食感と味わいが混ざり込んできて、
もう堪らない。病みつきに、ならないわけがない。
しかし、陳建一の麻婆豆腐に引き続いて、
どーして間違っているのに、どえらく美味くなってしまうのだろう。
これも、セレンディピティのひとつなのではあるまいか?