味はいまいちでも、一度、チキンカレーを作ってみた経験も生きて、
この書籍の言わんとしていることが、真綿に水の如くオイラにしみ込んでくる。
カレーに正解はない。
なので、自分の好みの味はこれだ、というものをまずは見つける旅に出よう。
こうした文脈でかかれている文章を読んでいく内に、
オイラの作った、あっさりしすぎてものたりない、
バタートーストが欲しくなるあの味も、カレーだったんだと認識させられる。
タマネギの炒め方にも、著者の経験が惜しげなく披露されている。
それも、自身の実験結果というエビデンスを添えて。
なので、読者はほとんど悩む必要がない。
どのコースを経験してみようかという、
ほとんど結果の判明している選択肢が目の前に広がってくるのを実感するはずだ。
★「わたしだけのおいしいカレーを作るために」
水野仁輔著 バイ・インターナショナル 2018.5.12.初版第1刷
著者は、スパイスカレーの世界では知る人ぞ知る有名な人らしい。
これまでにも色々なスパイスカレー書籍を出しているということで、
中でもオモロイと思ったのは、「システムカレー」という概念で書かれた書籍。
きっとこの書籍を読むと、さらに選択肢が広がって、
読者にスパイスカレーの広大な見取り図を俯瞰させてくれるに違いない。
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インド料理「KABAB HOUSE」のインド人がから指摘された、
タマネギの炒め方とトマトの煮込み方が足りないという指摘は、
オイラの望んでいるコクを出すためには、正確な指摘だということが、
水野の書籍を読んでいて実感できた。
また、ヨーグルトによる鶏肉のマリネも、
最大で48時間施す方法もあるし、
ヨーグルトの量は、オイラの知ったレシピよりもっと少なくてイイらしい。
タマネギの切り方も、みじん切りにするよりも、
大胆なほど大きく切った方が、甘みが出るという。
しかも、みじん切りするよりカットする時間がかからないので、
冷凍する必要もない。素晴らしい。