こんな状況に備えて、
マイバッグにはいつも、
背高のっぽでちょいと邪魔になる「タイヤグリップ」をしまっている。
車に積んでおくと、凍ってしまう。
凍っても暖めると溶けるのだが、そんな時間がもったいない。
なので、マイバッグに入れている。
早じまいした店の駐車場には、
車を捨てて帰るので朝まで止めて欲しいと言伝されている
プリウスが、雪に埋もれている。
通勤車の屋根には、すでに10cm以上も雪が積もっている。
ちゃっちゃと雪を払いのけると、
4本のタイヤに「タイヤグリップ」を、ささっとスプレー。
松ヤニのような、粘着質な物質がタイヤを覆っていく。
1回の噴射で、30kmは走るとされている。
通勤車で帰るのを諦めた店長を乗せて、
とりあえず本厚木駅まで送った。
「タイヤグリップ」の噂をオイラから聞いていた店長は、
搭乗した感想を次のように漏らした。
「これは・・・、スタッドレスタイヤと、同格の走りだ」
道はガラガラに空いている。
左車線には、ハザードを点滅させたトラックが、
そこかしこで停車している。
ものの10分程度で、本厚木駅に到着した。
*
海老名インターチェンジ前の交差点を左折して、
坂道をかるく登り切った。
「いきものがたり」のコンサートがあったときに、
大渋滞していた交差点だ。
しばらくすると右折して、
「一凛珈琲」へ向かう直線路に入った。
異様に遅く走る車がいたので、
見通しのイイ直線で追い抜いた。
問題なのは、自宅に着いてからだった。
2台分ある、L字になっている駐車場で切り返し、
バッグで止めるのだが、
雪が25cmほどだろうか、フカフカと積もっていて、
そこで切り替えすのに難儀した。
バックしては少し前進、
そんなことを繰り返して、なんとか駐車できた。
「タイヤグリップ」は、
道路に轍さえ見えている状況ならば、十分に機能する。
4年ほど前にネット購入して依頼、
関東ではほとんど雪で混乱するときがないので、
いまだにチャプチャプ、揺すると音がするのだった。
こんなに便利なモノが、あってイイのだろうか?
「タイヤグリップ」は、米国産だ。
日本でも、だれか開発しないのだろうか?