アランがいなければ、世界史は大きく書き換わっていたかもしれない。
政府から命じられて、アランはエニグマの解読に成功したという。
チューリング・ボムという暗号解読専用の機械を、アランは開発した。
暗号解読に必要な鍵を、このマシンで無駄なく捜査できるという。
この成功が元となり、
アランは「人工知能」についても閃きを得た。
1948年、アランはチャールズ・ダーウィンへ人工知能に関する書簡を送るが、
あえなく無視されてしまう。
アランは突然に死んだ。41歳だった。
自宅ベッドにて、青酸カリによって死ぬ。
自殺なのか、他殺なのか、不明だという。
アランはゲイだったという。
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★「数学する身体」
森田真夫著 新潮社 2016.1.15.第六刷
数学嫌いの人でも、オモロイのであっという間に読めてしまう。
数式は一切出て来ない。
著者は若いのだけれども、その文体は安定している。
どーも不思議に思っていたら、
元は文学部だったが、縁あって数学部に転籍したという。
序盤は数学史をたどって話が進んでいくのだが、
中盤でアラン・チューリング、終盤で岡潔にそって、
数学について物語っていく。
養老孟司の作品を比しても、
まったく遜色なく楽しめる。
一年ほど買いっぱなしになっていて、
居間に眠っていたのを引っ張り出して読んだ。
いやー、読んでよかった。
読まないなんて、悔やまれる。