藤沢市民病院・呼吸器内科医師 M 氏による、
肺ガン治療現状の講義を聴講。
肺ガンは、男性死亡第1位、女性死亡第2位を占めるという。
日本肺癌学会による診療ガイドラインである
Ⅳ期非小細胞肺癌というレジメを元にして、
短い時間の中で相当なスピードでの講義であった。
あれから一ヶ月経って、
すさまじい殴り書きのメモを見ているのだが、
その講義の範囲がなかなかどうして広範なのと、
レジメの治療フローチャートが細かく難解なので、
朧気なガイドラインしか頭に残っていない。
ただひとつ、
強く印象的な話があった。
M 医師がどんなに説明を尽くしてみても、
高齢者肺癌の25~33%の患者が、
抗ガン剤治療を拒否するのだという。
この謎に対して、
M 医師はいくつか理由を推測していたが、
オイラはその理由のひとつに、
かなりの確率で近藤誠医師による書籍の影響があるとみた。
M 医師も口にはしなかったが、
ホントウは心の中で同じように思っていたのかもしれない。
それに加えて、
高度に進化した肺ガン治療のプロトコールが、
患者の理解を妨げている可能性も高いと思われた。
高額ではあるが、ツボにはまると素晴らしい成果を出すという
最新式の肺ガン治療という話だが、
一方で、何も反応しない例もあるという。
つまり、治療の成功確率がそれほど高いとは言えない点も、
ネックになっているようだ。
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9/23(土)、BS・NHKにて
ガンにまつわる四方山話があり、
興味深く視た。
ガン罹患経験者6人の医師と、同じく一般人がサンプルとして、
その活躍振りやガンに対する心構え等々、
深い話がてんこ盛りなのであった。
この番組は近藤誠医師の見解と異なり、
積極的な治療によって生を選んだ人たちがメインとなっている。
結局は、
ガン治療に挑戦して生きるべきか、
緩和ケアによって穏やかな死を迎えるべきか、
個々人の環境や事情によって、決断の道が分かれる。
どちらが正しいとか間違っているとかいう問題ではないように思われる。
間違いなく言えるのは、
病院が関与しているのであれば、
どのような決断を下そうともデータがしっかりと残るので、
自分の生き死にが多少なりとも後世の役に立つ、
ということなのではないだろうか。