能天気な米国の投資家にも漸く不安心理が芽生えたのでしょうか?
先週末のVIX指数は一時今年の最高値となる「17.28」まで上昇
同じく恐怖貪欲指数も今年最低水準の「28」となり
トランプ政権の迷走に加え、米朝間の緊張が投資家心理に不安を齎した様です。
<VIX指数>
<恐怖貪欲指数>
http://money.cnn.com/data/fear-and-greed/
ご存知の様にVIX指数は通常10~20で推移していますが
20を超えると様子見姿勢~買い手不在となり
30を超えるとパニック売りが出易くなると言われています。
因みにリーマンが破綻した2008年9月15日のVIX指数は「31.7」でしたが
その後AIG国有化、金融安定化法案否決、止まらない株価下落などを受け
11月20日に最高値「80.86」を記録しています。
一方恐怖貪欲指数は20を切ると底入れ感が台頭すると言われていますが
10を割り込むことは殆ど無く、リーマンショック時の最低値は「12」でした。
こうした流れを受け、8/11のドル円相場は
地政学的リスクとNY株安による円高が重なり、一時108.74円まで上昇しています。
以下は何時ものグラフですが、予想通り短期筋による円ショートが減少しています。
これは地政学的リスクの再燃も理由の一つだと考えられますが
FRBが7月FOMCでバランスシートの縮小を早期に開始するとした反面
今後の追加利上げには慎重な姿勢を示したことが影響していると思われます。
(ご参考:7月度FOMC声明及び議事録の骨子)
ところでFRBがバランスシートの縮小を開始すれば
理論的にドルは売られる筈ですが、ドルインデックスは既に1年以上前の水準にあり
資産縮小のペースも緩やかになることが予想されるため
大幅な円高や株価の急落を警戒し過ぎる必要はないと考えます。
(まとめ)
FRBのバランスシート縮小開始によってドルが売られたとしても
米国の景気が後退しない限り為替や株価に与える影響は軽微だと予想しています。
無論一時的に市場が動揺する可能性はありますが(ヘッジファンドの介入も含め)
当面の注目点は米国の経済指標とFRB要人の利上げに関する発言だと思います。
つまりFRBが資産の縮小に着手した場合、世界の株価は米国の景気次第であり
トランプ政権の政策実行力に掛かっているというのが個人的な見解です。
(今週の東京市場)
明日の日経平均はCMEに鞘寄せして19390円前後で始まりそうですが
閑散相場が予想されるだけに、先物主導での売り崩しには注意が必要だと思います。
さらにマザーズを中心とした中小型株は
さらなる下げが起った場合パニック売りが発生する可能性があるので
値頃感だけで買い向かうのは時期尚早ではないかと考えています。
(予想される当面のサポートライン)
〇200日線(19187円)
〇一目均衡表(雲の下限=19369円)
〇G.Sの3先物合計9月SQ損益分岐点(下限=19430円)