世界中で研究がものすごい速度で展開されているという。
それまでの遺伝子組み換え技術は、
確率が悪く、改良に成功するまでに驚くほどの年月がかかった。
しかし、クリスパー・キャス9という技術を使うと、
驚くほど簡単かつ迅速に、狙った遺伝子を狙い撃ちして、
オモロイことがいろいろ出来るのだという。
たとえば、京大・農学研究科の木下教授は、
「ムキムキ・マダイ」の研究に取り組んでいる。
ミオスタチンという筋肉の増殖を抑える働きのあるタンパク質を
合成できないよう操作することによって、
マダイの身の部分を飛躍的に増量させることに成功したという。
★「ゲノム編集の衝撃 ~神の領域に迫るテクノロジー~」
NHKゲノム編集取材班著 NHK出版 2016.7.25.第1刷
米国でも同様な方法で、
筋肉ムキムキな牛を発現させることに成功しているという。
他にも、筋ジストロフィーを発現させないようにする研究など、
医療分野にもこのゲノム編集の研究が進んでいるという。
一方で、こうした研究の倫理的な問題や、
開発者、特にクリスパー・キャス9における特許権の争いなどが
米国にて勃発しており、目が離せないという。
IPS細胞とゲノム編集の合わせ技、植物への応用と問題点など、
注目すべき話が満載な書籍となっている。