第19回薬用植物シンポジウムが開催された。
主催は、同大学植物園と相模原市。
先着順だというので、午前11:30に現地へ着いた。
相模原市の職員が二人スタンバイしており、
同大学駐車場の無料券をくれた。
講義はまず講義棟L1号館33にて2コマ、植物園で1コマ。
会場に集まったのは、60名。
最初の講義をしてくれたのは、
隣接する北里大学病院・総合診療部の、
五野由佳理(ごのゆかり)医師であった。
オイラの勤務する店とは場所がかなり離れているのだが、
この医師の処方箋を受けていたことがある。
変わった苗字なので、オイラは覚えていた。
想像していたより、ずっとチャーミングな感じがする医師だった。
講義内容も敢えて簡潔にしていてわかりやすく、
彼女の話し方や声も、なかなか素敵なので
まったく眠くならない。
眠くなるどころか、
予想以上に漢方の効き目が優れていることがわかり、驚く。
エビデンスの提示が、それくらい明確だった。
西洋医学で効果の出ない症例、
それは痛みに特化した内容なのだが、
彼女の処方した漢方薬で、ビタビタと痛みが止まってしまう。
気・血・水という具合に痛みを分類し、
都合6項目として各論を説明した。
*
オイラは平素から、ナンパオをいまだに服薬しているのだが、
そのくせに、その他の伝統的な漢方の効果をほとんど信じていなかった。
五野医師の講義によって、
それが完全に覆されてしまった。
これは、彼女の経験と、
世界のエビデンス研究との相乗効果によるものだ。
オイラはこの日から、
漢方の世界に目覚めてしまった。
PS:五野医師から学んだすぐに使える知識としては。
芍薬甘草湯は、頓服使用にとどめるということ。
整形外科の医者が「こむらがえり」で1日3回投与していたら、
すぐに疑義照会をかけて中止または頓用へ変更してもらえという。
そういう場面に遭遇したら、
北里大の五野医師がそう言っていたと言おう。
(でも、これってエビデンスじゃないだろう、権威の利用だろう・・・)
これは、甘草の有名な副作用である、低カリウム血症、むくみ、高血圧、
心臓病の悪化など心配してのこと。
オイラの店でも、芍薬甘草湯を買おうとした顧客がいて、
よくよく話を聴いたら、処方薬も服薬しており、
「そういえば、最近カリウム値が低いと言われた」という。
そう言ったのは内科だが、
他病院の整形外科から芍薬甘草湯が処方されており、
よく効いたから市販薬で済まそうと思ったらしい。
しかもその顧客は、狭心症もあるという。
放線痛(字が違うかも)らしき症状も出ていて、腕や背中も痛いという。
という流れで、すぐに芍薬甘草湯は中止になった。