昨夜のNY市場はダウが金融・エネルギーセクターの上昇を受け高値を更新。
またナスダックも一時高値を更新しましたが
「新型iphone」に搭載されるモデム半導体のダウンロード速度が
一部の他社製品より劣るというブルームバーグの報道をきっかけに急落し
前日比−1.80%で引けています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-09/ORA7RE6VDKHT01
中でも年初からナスダック市場を牽引して来た「ナスダック100指数」が-2.44%と大幅に下落。
最近過熱感が増していたこともありハイテク株を中心に、利益確定売りが活発化した様です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-09/ORAR6X6VDKHT01
主なハイテク銘柄の下落率を見ると
アップル(-3.9%)、アルファベット(-3.4%)、フェイスブック(-3.3%)
マイクロソフト(-2.3%)、インテル(-2.1%)などとなっており
主要構成銘柄の一社であるアマゾンも3.16%下落しています。
また昨年「サイバーダインの株価は300円が妥当」というレポートを出した
米国の空売りファンド「シトロンリサーチ」が
半導体大手「エヌビディア」の株価は130$まで下落すると報じたたことで
同社の株価は-10.34%急落し、ナスダック指数の下落に拍車を掛ける結果となりました。
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/detail/NVDA
ただナスダック指数はほぼ一本調子で上昇していたため
市場は丁度良いガス抜きになったと判断しており
機関投資家を中心としたハイテク株への投資意欲が削がれることはないとも報じられています。
一方、「第1のXday」を無事通過したことで
市場の関心は13日~14日のFOMC移ると思われますが
6月利上げ観測は99.6%と高く、市場は6月利上げをほぼ織り込んでいると言えそうです。
しかし直近の低調な雇用統計や物価、賃金の上昇率等から不透明感も強まっており
一部では年後半の利上げ回数を1回と予測する向きも増えている様です。
因みに6月のFOMCで利上げが見送られた場合、次の利上げ予想月は
7月(97.1%)、9月(74.6%)、11月(68.5%)となっており
7月に利上げが実施されれば、かろうじて年後半2回実施の可能性は残りますが
7月もなければ1回という市場予想が大勢を占めるのではないかと考えています。
<投機筋による円買いは修正の動き>
一時地政学的リスクやフランス大統領選への警戒感等で円が買われていましたが
そうした懸念が後退したことで円のショートポジションが増加しています。
しかし6月のFOMCで利上げが見送られると、長期金利が2%を切る可能性があり
ドル円相場は再び110円を割り込むことが予想されます。
従って、東京市場にとって14日は「第2のXday」とも言えるため
外需銘柄への新規投資は円相場が安定するまで見送る方が賢明ではないかと考えています。