ロシアゲート疑惑の表面化をきっかけにドルが売られ
ドルインデックスは昨年10月2日(大統領選挙前)の水準まで急落しています。
https://jp.investing.com/quotes/us-dollar-index
ただドル円相場は111円台をキープしていますが
その理由は米国株が反発したことに加え
ブラード米セントルイス連銀総裁が、バランスシートの縮小に言及したことで
米10年債の利回りが上昇に転じたためだと思われます。
https://jp.investing.com/rates-bonds/usa-government-bonds?maturity_from=180&maturity_to=180
因みに昨年10月2日のドル円相場は101.12円(日中平均)でしたが
その後トランプ大統領誕生ででドルが買われ円安の流れになりました。
さらにFRBが12月(ドル円は108円台に上昇)と
今年3月(ドル円は115円台上昇)に利上げを行っており
6月も利上げに踏み切れば、再び115円台に乗る可能性は高いと考えています。
またFRBの要人から度々バランスシート縮小の牽制球が投げられていることから
米長期金利も下げ止まるのではないでしょうか。
但しこれらはロシアゲート疑惑が穏便に解決することを前提にした予想であり
事態が深刻化するか、疑惑解明に時間がかかれば
さらにドル売りが続く可能性はありそうです。
またそうした懸念を増長させるかの様に
大統領が弾劾裁判にかけられる可能性は「五分五分との報道が流れたり
罷免されることはないにしても政策実行は困難を極め
トランプ政権の迷走は続くとの見方が強まっています。
にも関わらず米国株は比較的堅調に推移しており
個人的にはこれが不思議でなりません。
ウォーターゲート事件の時、ダウがmax40%下落したことを思い浮かべれば
当時と比べ世界経済や金融システムが強固であることを差し引いても
米国の投資家はあまりにも楽観的過ぎる様な気がします。
何れにしても株式市場の大敵は、トランプ大統領を巡る疑惑解明が長引くことで
政策の実行が困難(または先送り)になるだけでなく
その間様々な情報が交錯し株価が乱高下する恐れが生じることだと思います。
一方東京市場は海外勢の買い越しが続き、日経平均2万円超えが目前だっただけに
ドル売りに加え米国株が下落し円高が進めば
海外勢の日本株に対する買い意欲が削がれ
逆に19000円割れを心配することにもなりかねません。
それでもアナリストの多くは現状を「押し目買いのチャンス」と捉えており
ロシアゲート疑惑の最中に利上げが実施される可能性も低いと考えている様です。
(直近の6月利上げ観測は69%だそうです)
<曲がり屋の妄想>
〇「押し目買いのチャンス」だと言うのは時期尚早ではないか?
政治的リスクを抱える米国株がそれほど下げていないうちは押し目とは言えない
〇ロシアゲート疑惑の最中に利上げを行えば
株式市場は一気にリスクオフへ向かう恐れがある
〇逆に6月利上げを見送れば
その時に米国株が下落していた場合、ドル円108円割れも
〇ハゲタカファンドがこの好機を逃すとは思えない
〇NY市場にリスクが存在する限り、中小型の材料株投資が無難
〇6月FOMCが終わるまで「ポジション低め、充分な余力を確保」が賢明かと
〇海外勢の買い越しは円相場次第だと思われ
万一110円を割っても一時的であれば日経平均2万円超えは近い(と信じたい)
以上曲がり屋の相場観、いや相場勘でした(^_^;)