古いのだから仕方がないで、済むのだろうか。
いやー、でもどこがダメなのか解析するのも勉強にはなるか。
★「盗まれた街」 ジャック・フィニイ著
この作品はSFで、解説によるとスティーブン・キングが評価しているという。
文体とそれを通じての読み心地は悪くないのだが、
ラストがあまり良いと思われず、これじゃ、お笑いだろうと感じた。
というか、実際に大笑いしてしまった。
ただし、途中までは小林信彦の言うとおり、イイ感じの恐怖感はある。
★「ギャラウェイ事件」 アンドリュウ・カーブ著
架空のプロ作家による剽窃問題を切り口にしたミステリ。
文体とその結果感じる読み心地も悪くなく、
なおかつ、一人称の書き方を学ぶ上でも参考になる。
ただし、解説でもあるように、主人公の心理描写が多くなっており、
これは、くどくなってしまうギリギリの線とされていた。
終盤の種明かしのところは、設定が複雑すぎて少しもオモロイとは思わない。
★「マンハッタンの悪夢」 トマス・ウォルシュ著
我慢して読んでいたのだが、もう読むのをやめようかと思うほど、
文体も読み心地も最悪。いや、もう読めない。
オイラが書いた方が、まだマシなんじゃなかろうかという作品。
翻訳も悪いのかもしれないが、それを差し引いてもお話にならず、
何もかもすべてが、あまりに下手すぎて怒りを感じるほどだ。
*
振り返ると、この当時は純文学とミステリ・大衆文学とのレベルが
違いすぎるとされているので、こういう結果になるのは無理もないのかもしれない。
もうこれは、デイヴィッド・ゴードンが神様に見えちゃう。
こんなんだったら、そりゃ三島由紀夫とか文豪作品を読んだ方が、
当時はずっとオモロかっただろうと、即座に想像できるほど。