著者は芥川賞作家で、文学講座などでも教えており、
今ひとつ伸び悩んでいる人たちが書いた、
さまざまな小説を読んできたという。
そうしている内に、
伸び悩んでいる人たちに特有な、
ある傾向が浮かびあがってきたという。
★「書く人はここで躓く!」
宮原昭夫著 河出書房新社 2016.12.30.増補新刊 まえがきより以下抜粋
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つねづね私が、惜しいな、と思うのは、文章力はある、感性もいい、
いい素材も持っている・・・・・・
それなのに小説というものについての基本的な勘違いがあるために
もう一息のところで伸び悩んでいる──
そういうケースが私の周囲にも意外に多い、ということです。
例えば、手記、エッセイ、随筆、自分史などで修練も積み、適切な指導者にも恵まれ、
サークル内でも力量を認められているような書き手が、
もっと自分のジャンルを広げたいという意欲に燃えて小説に手を染めてみた──
といったような場合が、実はかえってうまく行かないことが多いようです。
つまり小説とそれ以外の文章との間には
決定的な違いがあるのが理解できていないのです。
他のジャンルでの力量が、かえってジャンルの間の壁を
越えにくくしているのかもしれません。
そんな方にほんのちょっとでも小説作りの基本を助言できたら、
というのが本書の狙いです。
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積もり積もっていた小説についての疑問が、
読んでいく内にかなりの部分、氷解していった。
目から鱗が落ちるような概念、そーだったのかという長く抱いていた疑問の氷解、
やっぱりそれでイイのかという納得、そんな内容でこの書籍は充ち満ちている。
わからないことがあるまま、
見切り発車しなくてよかった。
PS:著者は横浜で仕事をされているらしい。
今後、さらなる疑問が湧いてきたら、質問してみたい。