マスターの弟は京都で独立して、京風建築業を営んでいたが、
認知症になってしまった。
この人は驚いたことに、オイラの高校の先輩なのであった。
しかも、オイラのようにギャンブル狂でもなく、
クソ真面目であるのになぜか独身だった。
彼の部屋をのぞくと、建築関係の書籍や写真がどっちゃりと積んであったという。
今まで、この弟の京都での後見人が見つからず、
ママと京都市で連絡が交わされていたのだが、
この度、めでたく後見人が決まったという。
関西大学・理工学部教授の伊藤さんという人らしい。
写真を見せてもらったが、とてもよさそうな方であった。
この伊藤さん、親切にも程があるというか、
はたまた何かのついでだったのであろうか、
わざわざ藤沢にあるカスタムまで来てくれたという。
「今度、機会があったら是非、京都までお越し下さい。
宿でも何でもお手伝いいたしますから」
などと、親身なことを言ってくれたという。
というわけで、
近々、カスタムのマスターとママとで、
京都に行く予定らしい。
アクシデントがあるとするならば、
その旅に、オイラも付いていく可能性がかなり高いということだ。
とうとう、京都に知人をつくるチャンスが来たのだ。
そして、今回の旅は、オイラにとって初の取材になる。
もちろん、カスタム夫婦もこれを承知だ。
今回のケースはレアなのかも知れないが、
想像しているよりも深刻な事態ではない。
むしろ、救いの方がずっと多い。
きっと、実りのある取材になるだろう。
PS:しかも、この弟のいる施設は、
「鞍馬」なのであった。
もろに、もろに「義経伝説」なんですけど。。