直近の予想ではクリントン候補が勝利する確率は90%だそうです。
金融市場にとっては一見「めでたし、めでたし」という気もしますが
何方が勝っても財政に苦しむ米国経済の先行きは暗いと思います。
何しろレイムダック・クリントンとレイムダック・トランプの一騎打ちですから。
米国は近い将来利下げを迫られる恐れがあるので、金融緩和の余力を確保するため
「やるやる詐欺」のFRBといえども、年内に利上げしたいというのが本音ではないでしょうか。
因みに米国経済のピークアウトを予感させる兆候として
特に住宅関連指標の伸びが鈍化している点に注目しています。
ご存知の様に米国のGDPは個人消費がおよそ70%を占めており
中でも自動車販売と住宅投資は景気の動向を推し量る上で極めて重要な指標だと言われています。
(自動車販売台数の推移)
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2016
(建設許可件数の推移)
http://fx.minkabu.jp/indicators/01005
(住宅着工件数の推移)
http://fx.minkabu.jp/indicators/01017
ご覧の様に自動車販売台数、住宅関連指標共に、横ばいまたは低下傾向にあることが窺えます。
また、住宅や自動車を購入する際はローンを利用することが多いため
インフレ率が安定的に推移している状況下で利上げが行われた場合
ローン金利も上昇し、消費や住宅投資の減速に繋がる可能性もあります。
つまり、ニューリーダーへの期待が低い中で、今後対ドル円安に向かうシナリオは考え難く
東京市場は大統領選挙が終われば
クリントン候補勝利で「緩やかな円高 & 緩やかな株安」
トランプ候補勝利で「急激な円高 & 株価暴落」をそれぞれ想定しています。
さらにクリントン候補が勝利した場合
FRBが年内利上げに踏み切る可能性が高いと予想されており
株式市場ではリスクオフが進むだろうと考えています。
一方、ブレグジット問題を抱えるEUでは、ECBの追加緩和に期待する声もありますが
実際には現状維持の期間(2017年3月)を延長するかしないかの議論になる可能性があり
その場合、1ユーロ110円まで円高が進むという見方もあります。
http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-lautenschlaeger-idJPKBN1322BT?rpc=188
<日本時間8日20:00~東海岸で投票開始>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161108/k10010760191000.html
<東海岸の主要州投票終了時刻>
http://jp.wsj.com/articles/SB10192246251775523818204582423212237477368
<開票速報:日本時間 11/9 AM9:00~>
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/president2016-live/
(お断り)
この日記は決して売り煽りではなく、現時点で予想される投資リスクを書いたまでで
これから先は「ファンダ重視、銘柄重視」の投資がbetterだと考えています。
但し、少なくとも年内は買い付け余力を充分確保して置く方が賢明かと。。。