元祖SHINSHINさんのブログ
父上は、なぜ狂言師になったのですか?
3歳になったばかりの息子を狂言の舞台に立たせたときに、
そう尋ねられたという。
「わたしにも、わからない・・・」と、父親は答えた。
10/30(日)、BSフジで野村萬斎にまつわる番組でのこと。
萬斎自身も、3歳の時に舞台デビューしたという。
伝統を引き継がなくてはならないものたちの、それは宿命。
ところで、そんな彼らとは全く逆に、
いろいろな制度上の障害などあっても、
大方の人びとには、どのような道に進んでもイイという自由が与えられている。
しかし、自由だからといって、己の選択した行動が報われるとは限らない。
★「夢みる教養」
小平麻衣子著 河出書房新書 2016.9.30.初版発行
戦前、戦中、戦後と辿って生きてきた女性たちを巡る、
主に文学に関する努力とその結果を、
いろいろな社会的要因を加味しながら考察している書籍。
特徴的なのは、
ある文芸誌に投稿しつづけたが無名で終わった女性たちに、
スポットを当てているところ。
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一方で、こんな本も読んでみた。
★「バカ田大学講義録なのだ!」
養老孟司など著名な人びと著 文藝春秋 2016.7.15.第1刷
生きていれば、赤塚不二夫生誕80周年企画だという。
養老孟司の、とある数学者を介した哲学の話、
それと久住昌之の、旅するときには計画を立てないという話しが
オイラにはオモロかった。
赤塚の長女が巻末に記した父上の遺言が、またオモロイ。
「バカっていうのは自分がハダカになることなんだよ。
世の中のいろんな常識を無視して、
純粋な自分だけのものの見方や生き方を押し通すことなんだよ。
だから、バカだからこそ語れる真実っていっぱいあるんだ」
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オイラは改めて思ったのだ。
自分がオモロイと思ったことを根気強く研究し続けていって、
なおかつ、たとえ一つの興味が倒れてもイイように、
そうした研究を複数みいだし継続していって、
毎日なにをしていても楽しくって仕方がない状況に、
自分を自分で導いていくのが、オモロイ生き方なんじゃないのかって。
その時のちょっとしたコツは、
最初はつまらないと思っても、
続けているうちに楽しさを見出したり、己で工夫したりすることなのだろう。
野村萬斎の息子も、いまでは狂言が楽しくって仕方がないのではないか?
無名で終わったとしても、文芸誌に投稿しつづけた女性たちは、
その最中、きっと楽しくって仕方がなかったのだと思う。