8月16日時点の投機筋による円ロングは、ご覧の様に増加傾向にありますが
翌日発表されたFOMC議事録で、9月利上げ観測が遠のいたため
17日以降の円ロングはさらに増えていると思います。
http://jp.wsj.com/articles/SB10191232058230093692804582256261848956118
http://jp.wsj.com/articles/SB10153442616204504109704582259652881994684
その結果、先週のドル円相場は一時99円台半ばまで下落しましたが
それでも日経平均が16500円台という異常値を維持しているのは
日銀のETF買い入れ枠拡大への期待が、2000円以上指数を押し上げているからだと思います。
また最近の傾向として、今年高値を更新した成長株がとことん売られ
大型の輸出関連株が買われていますが
その主な理由は、日銀のETF買い入れに対する思惑と
輸出企業の業績が事前の予想ほど悪くなかった所為ではないかと考えています。
ところで私は年初に、今年の日経平均は12000円割れもあると予想していましたが
最大の理由は、米国の利上げが中国などの新興国経済に及ぼす影響を心配していたためです。
しかし外部要因として、米国の利上げ観測(年内3~4回)が1~2回(または0~1回)に後退し
新興国経済の不安が先送りされたこと。
一方内部要因としては、ヘリマネへに対する思惑や日銀のETF買い入れ枠拡大(6兆円)などが
株価指数と為替の連動性を低下させ、ドル円が100円でも日経平均16500円という
極めて歪な状況を生んだのではないかと推察しています。
ただこのまま歪な状態が続く筈はなく、何時適正な水準に戻るかが問題だと考えています。
またここで重要なことは、今まで世界的な株高の原動力になった日銀とECBに
今後もさらなる金融緩和が期待出来るかという点ですが、答えはノーだと思います。
欧州はむしろマイナス金利の副作用(銀行の経営危機)が懸念されますし
ブレグジットの影響もこれから現れる可能性が高く
英国の景気後退が次第に鮮明になるのではないでしょうか。
さらに市場は日銀も手詰まり状態、FRBも利上げを決断出来ない腰抜けだと判断している節があり
その証拠が現状の「ドル安・円高」に表れている様な気がします。
つまり市場は今後予想される「FRB、ECB、日銀」の金融政策を、全てお見通しという訳です。
それでも、流石に12月の利上げ観測は50%以上という調査結果もあり
12月にNY市場が年初来安値を付けても何等不思議ではないと考えています。
因みに、米大統領選挙の年、ダウは9月にピークを迎えるというアノマリーに則れば
9月20日~21日に開かれるFOMC及び日銀金融政策決定会合辺りが
トレンドの転換点になる様な気もします。
という訳で、遅くても9月MSQ以降は売り中心のスタンスが賢明ではないかと妄想しています。