ブルームバーグがエコノミストを対象に行った調査(7月15日~22日)によると
約8割が7月追加緩和を予想しているそうです。
また追加緩和の手法について多かった予想は以下の順です。
①ETF買い入れ枠拡大
②マイナス金利拡大
③マネタリーベース増加ペース引き上げ
④長期国債買い入れ増
⑤J-REIT買い入れ増
所詮どれをとっても新鮮味はありませんし(マンネリ化)
最近の円安株高で、市場が追加緩和をある程度織り込んだ可能性もあり
緩和を見送れば「円高+株価暴落」
追加緩和を行っても材料出尽くしで「円高+株安」になるという見方も多く見られます。
以下に、幾つかの見解をご紹介して置きます。
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<みずほ銀行、唐鎌大輔チーフマーケットエコノミスト>
「追加緩和を実施してもしなくても、円高になることには変わりはない」とみる。
既に市場は追加緩和の可能性を相当織り込んでおり、実現しても「ドル円相場は『噂で買って、事実で売り』となろう。
現状維持となった場合は政策運営の手詰まりを意識する声が海外投資家を中心として高まり、やはり円高になろう」
<クレディ・アグリコル証券、尾形和彦チーフエコノミスト>
「量的・質的金融緩和の拡大で市場の期待を上回るサプライズを演出するのは不可能」と指摘。
「中途半端な拡大でお茶を濁すとなれば、むしろ量的・質的緩和の限界を自ら露呈することとなり、市場の大きな落胆から逆効果となるリスクが極めて大きい」とみる。
唐鎌、尾形両氏は今会合では追加緩和の見送りを予想する。
<伊藤忠経済研究所、武田淳主席研究員>
「現行の金融緩和のフレームワークが限界に来ていることは、日銀が追加緩和を見送り続けていることからも明らかだ」と指摘。「次回の追加緩和の後も安定した物価上昇の実現が見通せない場合、フレームワークの修正を迫られる」
<クレディ・スイスストラテジスト、マンディー・シュー氏>
日経平均オプションのコールとプットの価格差は7年ぶりの高水準となった。
また、円安と日本株高のどちらも利益となるウィズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・エクイティ・ファンド(DXJ)を対象にした短期オプション価格は過去1年で最高に達したという。
シュー氏は「今週の日銀金融政策決定会合にかけて期待は高い」と述べた。
<キャピタル・エコノミクス、アレックス・ホームズ氏>
円がドルに対して「大幅に下落」し、日本株が米国株よりも上昇すると予想している。
ホームズ氏は「当社では、日銀が29日に年間の資産買い入れ額を80兆円から90兆円に引き上げ、さらに超過準備に課す金利をマイナス0.1%からマイナス0.3%に引き下げると予想している」
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この他にも様々な憶測が飛び交っていますが
結局、国債の買い入れ枠拡大は困難な状況になりつつあり(近い将来減額が必要になる)
マイナス金利の拡大も効果は疑わしい。
従って手詰まり感は否めないという意見がやや多い様に感じます。
さらに個人的な意見ですが、ETFやJ-REITの買い入れを増やしても
美味しいところは海外勢に持って行かれるだけで
個人的には最早「焼け石に水」ではないかと感じています。
<追加緩和の有無に関わらず株価は下落する:東洋経済>
https://shikiho.jp/tk/news/articles/0/128767
<7月追加緩和の可能性について:ロイター>
http://jp.reuters.com/article/focus-boj-idJPKCN106198
ところで今日の円相場は、まるでリスク回避を思わせる急激な円高になりましたが
恐らく、米国の利上げが無いであろうことは既に織り込み済みなので
万一日銀が追加緩和を見送った場合を想定し、短期筋が動いためだと考えています。