<GPIFの2015年度運用成績(第三四半期まで)>
4~6月期 +2兆6489億円
(6月末の運用資産額は141兆1209億円となり、自主運用を始めた2001年度以降では最大)
7~9月期 -7兆8899億円(チャイナショック等で大幅な赤字)
10~12月期 +4兆7302億円
4~12月累計 - 5108億円
上の数字をご覧頂くと、2015年度の運用成績は概ね想像出来ると思います。
特に今年1~2月は株価が暴落し、運用成績は一時的に7~9月期を超えた可能性があります。
そこで1~3月の運用成績を、ざっくりですが個人的に推測してみました。
(数字は全て終値ベースの日経平均株価です)
<2015年第二四半期を振り返ると>
2015年6月30日 20235.73円 ①
2015年9月30日 17388.15円 ②
当該期間中の下落率=②÷①×100=-14.07%
また同期間中の運用損失は-7兆8899億円ですから
日経平均株価が短期間で15%下落すると
運用損失は8兆円に上る可能性があるとも言えそうです。
因みに同期間中の最高値は 20808.69円(8/10)
最安値は 16930.84円(9/29)
つまり8月10日の高値から安値まで33営業日で、下落率は-18.87%に達しています。
<2015年度第四四半期推計> (あくまでも個人的な推測です)
2015年12月30日 19033.71円 ③
2015年 3月31日 16758.67円 ④
当該期間中の下落率=④÷③×100=-11.95%
第二四半期中の下落率(-14.07%)に比べれば2%余り小さいですが
特に1~2月の下落幅が大きく、2月12日の終値14952.61円は
年初から28営業日で、何と-21.44%も下落したことになります。
ですから期間中の下落率だけで単純に比較することは出来ませんが
少なくとも第四四半期だけで、5兆円以上の損失を出した可能性が窺われます。
ところで、GPIFの決算報告は毎年7月上旬~中旬に行われていますが
今年の予定は7月29日(金)となっており、敢えて参院選前の発表を避けたものと思われます。
無論大きな損失を計上したとなれば、選挙の障害になるという政府の判断かも知れませんが
こういう姑息な考えは、明らかに国民(有権者)を欺く行為であり
個人的にはアベノミクスの限界を強く感じます。
しかも海外の機関投資家は、こうした状況を踏まえた上で
参院選前は「クジラ」が動き難いと判断しているのではないでしょうか。
ただ彼等が、選挙前に打ち出されるであろう金融政策や景気対策に乗っかって
一稼ぎしたいと考えているのは確かだと思います。
という訳で最悪の場合、参院選後の東京市場が焼け野原にならないよう願って止みません。
少々大袈裟かも知れませんが、マクロ的にはそれくらいの危機感が必要かと(`・ω・´)キリッ