kabukabumanさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ784件目 / 全2160件次へ »
ブログ

決算時に注意して置きたいこと(その①)

間もなく2016年3月期決算が相次いで発表されますが、

決算を跨いで持ち越すか、或いは事前に手仕舞うか迷われる方も多いと思います。

そこで、決算時の注意点について幾つか触れて置きますが

今回の決算は円高の影響を受ける企業が多いと予想されますので

特に③~④の項目には注意が必要だと考えています


3Qまでの進捗が遅れ気味の企業は下方修正される可能性が高い


 万一決算を跨いで持ち越す場合は、3Qまでの進捗状況を事前に把握しておくことが大事です。

 但し、4Qに売り上げや利益が集中する企業もあるので、3Qの決算書は熟読して下さい。


業績予想の修正(日程)

 

 決算発表予定日より前に業績予想の修正が行われるケースも多いと思いますが

 企業によって発表時期に傾向があるので、事前に把握して置くことが大事です。

 

輸出関連企業の為替差損計上に注意(円高傾向のため)


 会計ルールでは、企業が保有する外貨建ての売上債権や預金などの資産を

 決算期末の為替レートで時価評価することになっています。

 ですから、資産を取得したり、取引を開始した時点より円高になっている場合

 円に換算した外貨建て資産の評価額は減少しますので

 この影響を為替差損として営業外費用に計上しなくてはなりません。

 そのため、経常利益や純利益が減少する要因になります。
 

 例えば評価額が1ドル120円の預金を1億ドル持っている場合

 期末のドル円相場が110円になれば「120億円-110億円」で

 10億円の為替差損が生じることになります。


仮に最高益を出しても、2017年3月期の業績予想が前年比割れの場合売られる可能性が高い


 特に輸出関連企業の多くは、想定為替レートを110円前後に設定する可能性があります。

 その場合、輸出の規模が大きい銘柄ほど業績予想が前年実績を下回ることが考えられるので

 例え決算発表日前に上方修正が出されたとしても、安易に持ち越すのは危険だと思います。


 因みに、利益額がドル/円相場に最も大きく影響される銘柄は「トヨタ自動車」で

 円相場が1円変動すると、利益は約400億円変動すると言われています。

 この他、日産自動車、富士重工、ホンダ、三菱重工などの輸送用機器関連を初め

 北米の売り上げ比率が高い、船井電機、エフテック、ブリジストンなども要注意でしょう。


 一方ユーロ/円相場の影響を強く受ける銘柄はソニー、キャノン、リコーといった

 電気機器関連が目立ちます。


(ご参考)

主な輸出先や輸出額の規模が考慮されていないデータは傾向だけ参考にして下さい

<輸出比率の高い銘柄 2015年>

http://www.kabutore.biz/yusyutsumeigara.html


http://www.nikkei.com/article/DGXKZO96586450X20C16A1ENK001/


http://www.stockboard.jp/flash/sel/?sel=sel540


<少し古い資料ですが、個人的に調べた銘柄別の輸出比率です(2013年度決算)>

http://minkabu.jp/blog/show/566597


<欧州の売り上げ比率が高い企業:輸出額ではありませんのでご注意下さい(単位%:推計)>
6661 オプテックス・エフエー(56)、7839 SHOEI(49)、6586 マキタ(43)
5202 日本板硝子(37)、6914 オプテックス(35)、7309 シマノ(35)
7707 PSS(34)、6581 日立工機(34)、6789 ローランドDG(33)
6141 DMG森精機(32)、4902 コニカミノルタ(32.0)、6277 ホソカワミクロン(31)
6816 アルパイン(31)、6444 サンデン(30)、7751 キャノン(30)


コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。