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中国五大銀行の不良債権がどのくらいの額にのぼるか
今日の宮崎正弘さんのメルマガに面白い記事がありました。中国五大銀行の不良債権がこの一年で30〜70%も増加していたという公式発表についてです。公式発表なので限界まで手加減した数字だと思ってよいでしょう。先日の日記で「5年でGDP比50%増えた」と書きましたが、五大銀行だけでこの1年の間に30〜70%も増えたということなので、別の見方をすれば中国国内の不良債権は「5年で2〜3倍」というペースに…これは、不良債権を表に出すようになったと考えることもできますし、もう隠すのが限界な水準まで不良債権が膨らんできていると考えることもできます。
以下が具体的な不良債権額だそうです。
銀行名 不良債権額前年比増加率
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中国銀行1309億元30.25%
中国農業銀行2129億元70.33%
中国工商銀行1795億元44.19%
中国建設銀行1660億元46.66%
中国交通銀行526億元 30.66%
日本円にして総額13兆円規模になりますが、もちろんこれが「実際の額」だと思ったら大間違いです。飽くまで表から見える明らかな不良債権をかなり手加減して試算した額です。しかも不良債権を処理する場合は融資先に付随する企業まで影響が及ぶため、不良債権額は中国の信用創造規模に比例して膨れ上がるでしょう。たとえば、中国の預金準備率はおおよそ15-20%程度なので、信用創造が5倍として不良債権額は最低5倍の64兆円にはなります。これでもかなりおとなし目の試算ですが、更に恐ろしいことに、 中共は不良債権を処理するどころか先月中国は預金準備率の引き下げで不良債権の膨張にアクセルを踏み始めているのです。
ちなみに、1992年に大蔵省が発表した日本の大手21行の不良債権額は8兆円、10年以上かけて出てきた実際の不良債権額は100-200兆円でした。まだ自由のある大蔵省ですらこのくらい隠すわけですから、中国の不良債権は少なくとも100兆円規模、恐らくは300兆円を超えると容易に想像できます。…といっても不良債権は人民元建てなので、人民元が価値を損なえば(つまりインフレになれば)チャラにできますが、その場合中共と人民元は国際的な信用を失い大国への野心は永遠に絶たれるでしょう。もし大国を目指すのならば、これから5年、10年とこの不良債権が中国経済に影を落とすことになるはずです。
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