凸版印刷の株式時価総額が大日本印刷を上回って推移しているそうです。
1980年以降、印刷業界では大日印が1位を続けてきましたが、先週末に逆転し、デジタル関連など事業の多角化で先を行く凸版が市場に評価されているようです。
17日終値で凸版が6826億円、大日印は6614億円となっており、逆転のきっかけは前週に2社が発表した2015年4~12月期の連結決算で、9日発表の大日印は連結営業利益が前年同期比10%減の320億円、10日発表の凸版は38%増の260億円と明暗が分かれたことによるようです。
2社とも営業増益を見込む2016年3月期通期の予想を据えおきましたが、「大日印の通期予想達成のハードルは高くなった」との見方が強まったようです。
決算発表後、17日まで凸版株が2%上昇する一方、大日印株は4%下げました。
印刷業界には顧客企業のペーパーレス化、書籍や雑誌の市場の縮小、半導体や液晶パネルの部材分野での海外勢の台頭など逆風が吹いており、そのなかで凸版は「電子書籍や電子チラシなどデジタル関連事業の好調」(凸版の垣谷英孝専務)で収益拡大を支えたようです。
大日印も電子書籍などに力を入れていますが、紙の印刷の落ち込みを補えなかったものの、業務用プリンター向けの記録材などは伸びており、収益の多角化で巻き返しを急ぐようです。
多角化の成否により、株価も変化するかもしれませんね。
7911:976円、 7912:972円