ドル売りがなかなか止まりませんね。
世界的な景気の低迷で、3月の利上げ観測が後退し
米10年債利回りが9カ月ぶりの低水準(1.8%台)にまで低下しているためだと思われます。
一方日銀がマイナス金利の導入を発表して以降
日本国債の金利は長期国債(10年物)を除き、全てマイナスになる異常事態となり
現在は、10年物でも0.04%まで低下しています。
(昨年、スイスで長期国債までもが、一時マイナス金利になるという珍事が起きています)
こうなると、投資家は外債など、利回りの高い投資商品へ資金を移そうとするため
米国債が買われ、利回りが低下している一因だと推察しています。
その際、投資家は為替のリスクを避けるために、為替ヘッジを行う可能性が高いので
円売りに繋がらないのでしょう。
さらに、米国債の金利が低下する余地は充分残されていますが
日本国債が低下する余地は全く無いために、日米の金利差は縮小し
ドル円相場が円高に振れ易い状態になっているのだと思います。
ところで日経平均はテクニカル的な下値メド(16900円)をあっさり割り込んだため
早急に戻さない限り、再びPER13.5倍が意識されるのではないでしょうか。
因みに、PER13.5倍に相当する日経平均株価は15650円なので
1月上旬の暴落真っ只中とそっくりな状況に逆戻りした様なものです。
今後、先進国や中国の景気底入れが確認されるか
米国の景気が揺るがないという確信が持てるまで、容易に円安に振れることはない様な気がします。