昨夜のNY市場は、チャートを見る限り、漸く安定して来た様に思います。
やはり一昨日のハンマー型陰線が、反発の予兆だったかも知れません。
但し、任期満了に伴う大統領選挙の年は
候補者が絞られる3月頃まで、株価が低迷するというアノマリーが存在していますので
まだまだ安心は出来ません。
一方東京市場は、昨日の呆れる様な反発で、市場心理はやや改善されたものと考えています。
またCME円建ても17230円としっかりしていますが
昨日の大手証券各社のオプション取引は、概ね16000円~17500円の範囲で行われているため
17230円は、かなり高い水準であることや
16400円台に厚い出来高帯があることを考えると
そろそろ深追いはリスクが大きい水準ではないでしょうか。
ところで、先週、CME通貨先物取引で、円買いが止まったという情報をお伝えしましたが
下のグラフで見る限り、少なくとも1/19の時点では、前週より円ロングは増加しています。
しかしその後のドル円相場は、株価の回復に連れ119円台に迫っていますので
ドル買いが進み、円買いは止まった可能性が高いと判断しています。
次にNY市場の株価が大きく下落した割に、VIX指数が上昇しない矛盾を
NY市場固有の下落要因(信用買い残の増加)があったのではないかと分析していましたが
漸く証拠金債務の推移を示すグラフを見付けましたので、ご紹介して置きます。
上のグラフは、赤い折れ線グラフがNYSE(NY証券取引所)の証拠金債務残高
青い折れ線グラフはS&P500指数を示していますが
証拠金債務の残高は2015年にピークを迎えていることが分かります。
(正確には4月末がピークで、約5070億ドル)
またリーマンショック以降、赤と青のグラフがほぼ重なっている点に着目すると
S&P500指数(昨日現在1900pt)の推移から、NY証券取引所に於ける証拠金債務の残高が
ある程度推測出来るのではないでしょうか。
ただ、適正な水準が4000億ドルなのか、それとも4500億ドルかは分からないため
まだ極めて高い水準にあるとしか言えませんが
年初からの暴落で、現在は、およそ4500億ドル程度ではないかと推測しています。
仮にこの水準が適正範囲内であれば
信用取り組みの悪化による株価の下落は止まるものと考えていますが
あくまでも下落要因の一つではないかという仮説に基づいていますので
その点はご了承頂きたいと思います。