来週はFOMCと日銀政策決定会合とういう大きなイベントが待ち受けています。
恐らく先週まで、両中央銀行ともに政策の変更は考えていなかったと思いますが
その後の株価暴落で、状況はやや変わっている様な気がします。
焦点となるのはFRBと日銀が緩和的なアナウンスを行うかどうかですが
FRBは投票権を持つメンバーが一部入れ替わるため
大方の予想としては、よりハト派的になるのではないかと考えられています。
一方日銀は、ある意味窮地に立たされていると思います。
それというのも、2014年10月の追加緩和は
一年後の消費税増税をスムーズに実施する、フォロー的な意味があった筈で
直後に増税が一年半延期になったことで、予定が大幅に狂ったのは間違いありません。
つまり、国債の保有残高を年間80兆円増加させるとした追加緩和策は
少なくとも消費税増税までに、景気の浮揚を実現させて置くことが目的だった訳ですから
増税は延期。景気は依然として足踏み状態。
おまけに最近の株価暴落で、政府から株価対策の片棒を担がされることになれば
日銀としては堪ったものではありません。
黒田総裁の心境は、政府に対する不信感は勿論のこと
出来ることなら逃げ出したい気持ちで一杯ではないかと推察しています。
勿論、日銀の意思を貫けば、追加緩和は御免蒙りたいとなるのでしょうが
参院選もしくは衆参両院同時選挙を控え
面子にかけて、これ上株価を落としたくない政府との鬩ぎ合いになれば
やはり政府軍がやや有利ではないかと思います。
さらに、量的緩和策の賞味期限はせいぜい1年余りだと言われているだけに
政府としては今直ぐやらないと、来年4月の増税実施すら危ぶまれます。
こうした背景を考えると、株価と為替が昨日の状態なら60%以上の確率で
今月追加緩和に踏み切らざるを得ないのではないかと予想していますが
果たして株価と円相場のボーダーラインが幾らなのかが読み辛いだけに
ぎりぎりまで決断出来ないのではないでしょうか。
因みに、政府は株価重視ですから、16800円が一つの目安になりそうですが
日銀は円相場重視なので、現在のドル・円相場では動き難いと思います。
そうなると、ぎりぎりの28日まで、政府・日銀は、株価と円相場に釘付けになることでしょう。
しかし、海外勢は日銀の追加緩和を望んでいますので
万一の場合、追加緩和催促相場を演出する可能性がないとは言い切れません。
そうなると、今日は順調に戻している東京市場ですが
週明けに大きな波乱が起こる可能性が残されていると思います。
とにかく、FOMCと日銀政策決定会合が終わるまでは
余裕資金を多めに抱えて置く方が賢明でしょう。