今年の株式市場で注目すべき点は何と言っても「米国の景気」だと思います。
世界の投資家は、利上げ後の米国経済に、今まで以上に大きな関心を持っている筈なので
少しでもピークアウトを連想させる経済指標には、敏感に反応する可能性があります。
例えば昨日発表された「週間新規失業保険申請件数」も
利上げ前は殆どスルーされていましたが、利上げ後は微妙に影響するのではないかと考えています。
以下のロイターニュースを見ても分かりますが
わざわざ大きく取り上げていることが、市場が敏感になっている証拠ではないでしょうか。
http://jp.reuters.com/article/usa-economy-unemployment-idJPKBN0UE16D20151231
無論これだけでNY市場が大幅に下落するとは到底思えませんが
今後、マスココミはマイナス情報を大々的に取り上げることが予想されるため
米国の経済指標には、特に注目して置く必要があると思います。
次に定番の「中国ネタ」ですが
最近中国国内でも、GDPの伸びが実質5%台に落ち込んでいるという報道が流れており
海外の調査機関によれば、既にマイナス成長を指摘する報告まである始末です。
しかしこうした情報は、何れも中国政府が公表した6.9%に疑問を投げ掛けるものばかりなので
今年もヘッジファンドの仕掛け材料として利用される可能性は、極めて高いと考えています。
また新たな地雷として「スペインの政情不安」が挙げられます。
大幅に議席を減らした政権与党がリーダーシップをとれない場合
第二のギリシャショックに発展しかねないばかりか
ドイツに抵抗する勢力が拡大する恐れもあると思います。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47092
(伏字はsとmです)
さらには「英国のEU離脱」問題です。
離脱すればEU経済は大きな痛手を被りますが、結果的に残留が決まったとしても
国民投票が実施されるまでは、欧州経済にとって大きな地雷になることは間違いありません。
その他「中東紛争」「ウクライナ紛争」「東アジアの地政学的リスク」
さらには「新興国経済の行方」など
世界中のあちらこちらに株式市場を揺るがす地雷が埋まっていることを考えると
2016年の株式市場は、例年以上に乱高下し易い地合いが予想されると思います。
つまり、ファンダやテクニカルは勿論重要ですが
海外要因に振り回され易い相場環境を想定し
常にマクロ環境に気を配る必要があるということです。
ですから世界の政治・経済に関心が薄い人にとっては
極めてハイリスクな一年になることは間違いないでしょう。
投資は「一に勉強・二に努力・三四も勉強・五も努力」
ウザイと思われるかも知れませんが、日々情報収集を怠らない努力とスキルアップこそが
個人投資家が生き残る唯一の方法だと思います。
2016年の相場に向け、皆様のご活躍を心よりお祈りしています!◆\(・・)/◇