世界のモバイル決済の市場規模は2013年の30兆円から、
2017年には70兆円まで拡大すると予想されています。
これに伴い、米アップルは独自の決済「アップルペイ」を広げるほか
国内では無料対話アプリ「LINE」も決済に力を入れる様です。
因みに、日本IBMの調査によれば、ネットバンキングやコンビニATMの普及に伴い
20~30代の預金者のうち、直接銀行窓口を利用する人の割合は25%以下に減少しているそうで
こうした背景が、モバイル決済市場を急拡大させている要因だと言われています。
またフィンテックは決済だけではなく、金融機関のサービスにも大きな変化を与えそうです。
例えば銀行の近くまでやって来ると
預金者のスマホに「ボーナス運用にお勧めの商品」という通知が届きます。
これはNTTデータが今年から地銀向けに始めたサービスで
既に西日本シティ銀行などが採用しているそうです。
さらに、位置情報の技術に強みを持つベンチャー企業アイリッジと共同で
預金者のスマホの位置情報を基に、キャンペーンなどを通知する仕組みも開発しています。
但し、フィンテックの拡大に欠かせないのがセキュリティーの強化で
現在も様々な新しい技術が開発されていますが
それでも「なりすまし」などの不正なアクセスを100%防止するまでには至っていません。
ですから今後は、セキュリティー関連銘柄も、今以上に注目される様な気がします。
以下は12/22付の日経新聞web刊に掲載されたフィンテック関連記事です。
特にこれから同分野への投資を考えて居られる方には参考になると思います。
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株式市場で金融と情報技術(IT)を融合した「フィンテック」がにわかに注目されている。農業革命、産業革命、IT革命に次ぐ第4の波とも言われている。飛躍的な成長という思惑をテコに制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われる銘柄もあれば、上昇した翌日には急落する銘柄も散見される。フィンテックの将来性や関連銘柄について、市場関係者の見方を聞いた。
「中長期の成長性見込める分野に」 山田勉・カブドットコム証券投資情報室長
金融と情報技術を融合し、技術・サービスの領域は多岐にわたる。
金融・証券業界内の取引やネット決済だけではなく、身の回りでもスマートフォンに専用アプリを搭載し、キャッシュカードの代わりに現金自動預け払い機(ATM)から現金を引きだすシーンも想定される。こうした利用法は将来、日常生活の便利なサービスとして定着するはずだ。金融庁などもフィンテックの普及に乗り出していると聞く。
大手企業が関連する企業に投資したり自ら事業に参入したりする動きもこのところ相次いでいる。
一時的なブームと思われがちだが、(政府の政策支援や大手企業の参入などで)将来の成長分野に育つ可能性があり息の長い投資テーマになるだろう。個別銘柄に思惑的な買いが集まったとしても
フィンテックに関する事業が業績に反映されなければ投資家はやがて離れる。
個別企業の事業内容や業績の見極めが重要だ。新興・中小型株では、セレス・ビリングシステム・テックファームなどが投資家の間で注目されている。
「投資テーマに浮上も物色は一時的」金山敏之・マネックス証券シニア・マーケット・アナリスト
薄商いになる年末は海外勢の不在で主力株の動きが鈍りやすくなるため、新興・中小型株が物色されやすい。フィンテックについても関連業種が幅広く、足元で新たな投資テーマとして意識されているのではないか。個別ではさくらインターネット・ブレインパッド・メタップスといった関連銘柄が物色された経緯があり、投資家の間で注目を集めている。
しかし、訪日外国人需要の恩恵を受ける「インバウンド」のように、訪日客数として定量的に表れる実需や(小売りなど)恩恵を受けた業種にみられたしっかりとした収益貢献の裏付けがあるわけではない。個別企業の収益化への道のりはなお未知数といえる。中小型株が物色されやすい相場の地合いを映したもので、投資テーマとしてはあくまで一時的なものと考えている。
<主な関連銘柄一覧> (コード順)
2307 クロスキャット
2351 ASJ
2389 オプトHD
3623 ビリングシステム
3625 テックファーム
3655 ブレインパッド
3696 セレス
3753 フライトHD
3769 GMOペイメントゲートウェイ
3778 さくらインターネット
3853 インフォテリア
3917 アイリッジ
4344 ソーネクスト
4307 野村総合研究所
4812 ISID
4847 インテリジェントウェイブ
6172 メタップス
9613 NTTデータ
9759 NSD
3135 マーケットエンタープライズ