27年4月に予定されている消費税10%への増税を延期すべきだという声が上がっている様です。
(詳しくはこちら)
http://jp.reuters.com/article/tax-10-abe-idJPKBN0U40SO20151221
上の記事の中に、個人的に気になる件があります。
「・・・・・・・・・・・・消費税5%から8%の引き上げで、個人消費が予想を超えて落ち込み
そのことが安倍首相の脳裏から消えなかった・・・・・・・・・・」
確かに消費の低迷が予想以上に長引いているのは事実ですが
賃上げ効果や失業率の低下を考えた時
それが本当に消費税増税の後遺症なのか、少々疑問に感じています。
消費が伸び悩んでいる理由としてよく言われることは
「消費税増税の影響が未だに尾を引いている」
「賃上げの恩恵を受けているのは一部の層に限られている」というものですが
私の印象は少し違います。
例えば「呑み会」を想像してみて下さい。
高度成長期の「呑み会」は小洒落た料理屋で食事をし
その後の二次会・三次会は当たり前。つまり水商売が湯水の様に儲かる時代でした。
また真夏の仕事帰りはビアガーデンが定番で、やはりその後も二次会、三次会へと続きます。
もしその当時、コンビニの駐車場に座り込んでカップラーメンを啜っていたら
恐らく浮浪者と間違えられていたことでしょう。
ところが近年の呑み会は随分様変わりしています。
低料金で飲み放題付きの居酒屋で何時間も粘るのは極普通に見掛ける光景ですし
いきなりカラオケ店で一次会が始まることも珍しくありません。
また、真夏の仕事帰りにビアガーデンへ行くと思いきや、向かった先はファミレスだったり (^^;
確かに安いし涼しいし、まさに「価値的」という表現がぴったりです。
さらにコンビニの駐車場に座り込んででカップ麺を啜る連中は
既にジベタリアンという立派な市民権を獲得しており
浮浪者や家出人だと感じる人は全く居ない筈です。
私は、この様な情景の違いは、長いデフレ不況が齎した価値観の変化にあると考えています。
つまりデフレ時代に社会人になった人達は、知らず知らずのうちに節約精神が培われており
最も消費が多い年代だとされる30代~40代になっても、その傾向は変わらないと思うのです。
そしてその人達が今、30代~40代を迎えようとしています。
そこで私の結論ですが
消費の低迷が思いの外長引いている原因は、消費税増税の影響だけでなく
むしろ長らく続いているデフレ不況の後遺症によるところが大きいのではないかということです。
もしそうであれば、消費税10%を先送りして福祉や財政再建を後回しにしても
「百害あって一利なし」という結果に終わる様な気がして仕方ありません。
因みに株価と40歳前後の人口には相関関係があるという米国の研究報告があります。
この年代は最も消費が多く、景気が上向くと考えられているためですが
日本でも過去、40歳~45歳の人口比率と日経平均株価の推移は非常に良く似ています。
残念ながら、日本は40歳~45歳のピークが過ぎていますので
この論法からすると、今後株価は低迷期に入ることになります。
さらにアベノミクスも3年が経ち、少々色褪せて来た感は否めません。
2016年の日経平均株価は本当に上がるのか? こちらの方がもっと疑問です![]()
