米国市場のファンダメンタルズは一見良好に見えますが
利上げを間近に控えて潜在的なリスクが徐々に表面化し始めており
投資家心理はむしろ不安が拡大しつつある状況ではないかと思います。
その理由は原油相場の低迷、中国を初めとする新興国の景気減速懸念
利上げによる米企業業績への不安、中東や西アジアの地政学的リスクといった
既に顕在化している要因だけではなく、米国の金融市場独自の新たな問題も加わっています。
それは、ゼロ金利の下で需要が旺盛だった米ジャンク債市場から
利上げを前に資金の引き揚げが加速しており
先週末、ジャンク債を運用しているG.S、ブラックロック、レッグメイソンといった
大手投資銀行の株価が急落し、一部の投資ファンドは顧客の解約を一時的に停止するなど
サブプライムショックさながらの混乱状態に陥り、米国株の下落に拍車をかけた様です。
ただ、こうした混乱は一時的だと思われますが、米国の利上げが近づいたことから
LIBORの金利上昇が続いており(金融不安の兆候)一応注意が必要だと思います。
*LIBORの解かり易い解説
http://www.miller.co.jp/report/wakaru/20120718.html
因みに、こうした状況は、株式市場にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いので
やはり利上げ後暫くは、NY市場の動向を見極めた上で買い出動するのが賢明だと考えます。
それでも値頃感で買いたい衝動を抑えられない人は
少なくとも資金の半分を温存するか、ヘッジを併用された方が無難だと思います。
(テクニカル的に意識して置きたい日経平均株価の水準)
○75日線(18743円) ←ここは既に先週末のCMEが割り込んでいます
○直近安値(11/2=18683円) ←明日はこの数字が最も意識されそうです
○心理的節目①(18500円)
○価格帯別出来高の集中度①(18000円~18600円) ←ここで止まらなければかなり厳しい
○心理的節目②(18000円)
○価格帯別出来高の集中度②(17800円台) ←最後の砦、ここを割ると最悪のシナリオも
○PER13.50倍(17080円) ←経験的な最悪のシナリオ