米国の利上げで円相場が1ドル130円になれば、日銀が追加緩和を行う必要は無い!
果たしてそんなことになるのでしょうか。
http://jp.reuters.com/article/hamako-intaerview-idJPKBN0TR0V620151208
また、ロイターの企業調査によると
来年のドル円相場の高値を130円台だと見込む企業が5割近くに上るそうで
4割の企業が業績の下振れ懸念を抱いている様です。
http://jp.reuters.com/article/poll-corp-fed-idJPKBN0TQ2PD20151208
一方で2016年は円高になり、円相場は1ドル110円もあるという見方もあります。
http://jp.reuters.com/article/column-torusasaki-idJPKBN0TQ21920151207
2016年の円相場予測にこれ程の隔たりがあると
個人投資家としては「一体どっちやねん!」という心境になります。
ただ一つ言えることは、元々超低金利だった通貨が
僅かな利上げで何処まで買われるかという問題です。
本来、為替レートは通貨ペアとなる2つの通貨の関係で決まる筈ですから
一般的には金利差が拡大すれば高金利の通貨へ資本が移動します。
つまり「利上げ ➡ 資本流入 ➡ 買い ➡ 上昇」となる筈ですが
リーマンショック以降、米国のQE政策に始まり
欧米も日本もゼロ金利やマイナス金利政策に走ったため、元々金利差は無いに等しい状況です。
勿論金利差によって短期的に資本が移動することは理論的に間違いありませんが
ディーラー間では、金利差1~2%で資本移動が起こるかどうかは微妙で
3%以上になると資本移動が起こり易いと言われています。
何故なら、金利差が大きいと、為替レートが下がっても金利差分で利益が出るため
ロングポジションを取り易いからです。
そうすると、FRBが仮に0.25%利上げを行ったとしても、1ドル130円台という予想は
少々楽観的すぎるのではないかと思います。(個人的な印象で確たる根拠はありません)
増してFRBは来年も緩和的な立場を続けると考えられており
G.Sは、2016年末までの利上げ幅を0.5%と予想しています。
また米国が利上げに踏み切った直近3回のケースでも
利上げ後円安になったかと云えば、決してそうではなく、むしろ円高に振れているのが実状です。
その原因を一言で説明するのは時代背景(世界の政治経済)が異なるので困難ですが
少なくとも利上げ観測が表面化した時点で
既にドル買いが進んでいたのではないかと考えています。
しかも今回の場合、中東問題を初め、幾つかの地政学的リスク(テロ・内戦等)が燻っており
円ショートがさらに積み上がるどころか、巻き戻しが起こることも充分有り得ると思います。
以上ごちゃちゃ講釈を垂れましたが、結果は利上げが実施されるまで分りません。
ただ単純に「米利上げ=対ドル円安」という流れになるかどうか
個人的にはやや疑問を持っています。