フランス思想の入門書を読んだことがあって、
名前だけは知っていた。
新聞書評に、ロラン・バルトに関する新書が出たというので、
読んでいるところ。
★「ロラン・バルト」
石川美子著 中公新書 800円+税 2015.9.25.発行
2015年は、ロラン・バルト生誕100年ということで、
世界各国でいろいろな催し物が開催されているという。
どーして、そんなに人気者なのか?
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二〇十五年における催しは、バルトのテクストを解釈・研究することに終始するのではなく、
むしろバルトのエリクチュールがいかに広がりをもっているかを考え、
それがどのように次世代に伝わって、新たな作品を生み出す力となっているかを
言おうとしているように思われる。
そのことをもっとも率直に表しているのが、
六月にポルトガルのリスボンで開催された国際シンポジウム
「内在化されたバルト、あるいは文学の未来」であろう。
その趣旨文では、フランスのあらゆる現代思想家・理論家の中で、
バルトだけが今日もなお価値を下げることなく現代的な意義をもちつづけている、
という大胆な断言がなされた。
「今なおバルトは、私たちとともにあり、わたしたちのあいだにおり、わたしたちのなかにいる。
わたしたちはバルトを”内在化した”のだ」と述べている。
そして、バルトが教えてくれたように、
今やわたしたちこそが考えることと書くことをなすべきなのだと語り、
つぎのように結んでいる。
「バルトは、わたしたちの過去ではない。未来なのである」
(同書P.203~204より抜粋)
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というわけで、
ロラン・バルトが残した著作をネットで探してみると、
やや高価なれど、たくさん翻訳されているのだった。
バルトは、批評家、思想家、言語学者などなど、
色々な顔をもっていて、
それらの思索が縦横無尽に織りなされて、
さまざまな書籍になっている。
文学に関係するテクストも多くて、
しかもそのタイトルがとても洒落ている。
「零度のエリクチュール」なんか、たまらないタイトルだし。
少なくとも、文学に関係している書籍には、
目を通してみたいと思う。