(略)
ちなみに「重要な決断をするときには歩く」──
これは、脳科学的に言って、とても正しいことです。
脳の中には、「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」と言って、
何かに集中して仕事をしているときよりも、
むしろ何もしていないとき、休んでいるとき、リラックスしているとき
の方が活動する部位があります。
ぼんやりしている時間はムダな時間のように考える人も多いかもしれませんが、
実は大間違いで、
そのときこそ脳は大切な仕事をしています。
デフォルト・モード・ネットワークは、
集中しているときに集めた、いろいろな経験や情報を、
頭の中で整理する働きをしているのではないかといわれています。
みなさんも、お風呂に入ったり、眠りにつこうとしたり、
とくに何もしていないときに、
「あ、そうか!」と思い出したり、
「こうしてみよう!」と、新しいアイデアがひらめいたりすることがあるのではないでしょうか。
デフォルト・モード・ネットワークのおかげで、
感情や記憶の整理がついたり、
創造的になれるのです。
何でも意識的にコントロールしていると思ったら大間違いで、
”無意識”に任せなくてはならないこと、
むしろ、”無意識に”任せたほうがいいことがあるのです。
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★「頭は「本の読み方」で磨かれる」
茂木健一郎著 三笠書房 1,300円+税 2015.7.5.第1刷 P.148~149より抜粋
村上春樹の小説執筆手法に通じるものがある、と感じた。
プロットを決めないで書くのは、
その方が文章に勢いが出て具合がいいからだと、
村上は「職業としての小説家」で述べている。
(その代わりに、ものすごい回数の遂行が必要になるけれど)
また村上は、執筆が終わると毎日、規則正しく走っている。
これは、茂木のいう「デフォルト・モード・ネットワーク」を、
それこそ”無意識”に利用していると言えよう。
それから、これはオイラの妄想なのだが、
「セレンディピティ」を経験するのにも、
この”無意識”というのが、かなり関係しているように実感している。
何となく手に取った村上の「1Q84」、三浦しをん「光」、
デイヴィッド・ゴードン「二流小説家」が、
衝撃的な事実をオイラに発見させたりしてきたからだ。
期限切れアプリケーションを開発してみようと思ったのも、
伏見稲荷大社に行った後、京都の町中をさんざん歩き回って、
とあるコンビニで「チーかま」の期限切れを発見したときだった。
最近、妙に調子の良いデイトレのエントリ手法も、
ぼんやりとkabuステーションを眺めてるうちに気がついた。
このエントリ手法の習得をきっかけにして、
色々な気づきがオイラになだれ込んで来つつある。
今では、日経平均先物の息吹を感じられるような気がしている。
長いこと両建てを実践してきたのも手伝って、
売り方と買い方の思惑が、オイラの脳内に”ささやき”となってこだましてくる。
ところで、これは無意識ではなくて、明らかな現象なのだけれど。
たまに見せてくれる売り方と買い方の見せ板合戦は、
視ていて微笑ましくなってくる。
突然あらわれる売り方と買い方の1,000枚の板。
こんなことをして遊んでいるのは、
野村君やGS君のディーラーなのかなと思ったりする。
けれど、この見せ板、
たまにハッタリではなくって、本気だという意識表明なことがある。
大きな見せ板が、ハッタリか本気なのか、
感じて見分けるのは、”無意識”に近い脳内の働きなように思える。