投資信託は信託報酬ではなく、実質コストで比較することが重要です。
実質コストは、信託報酬と、信託報酬以外にかかった全ての費用です。
この手数料が安い投資信託が本当に手数料の安い投資信託です。
実質コストは毎年変動します。大口の解約などでコストが増えている場合もあります。
◇信託報酬の計算
投資信託の手数料は目論見書に年率何%と記載されています。
実際に手数料の計算は日割され、その日の基準価額に対して計算されます。
年率1%の投資信託があった場合、その日の基準価額 x 0.0027%(1%を365で割った数字)で計算されます。
4月1日に基準価額10,000円 x 保有数100で1,000,000円分保有している場合は1,000,000 x 0.000027 = 27円、
4月2日に基準価額11,000円 x 保有数100で1,100,000円分保有している場合は1,100,000 x 0.000027 = 29.7円となります。
◇実質コストの計算
運用報告書を見ると、1万口あたりにかかった手数料が記載されています。信託報酬以外にもかかった手数料が記載されており、実際にどれだけかかったかがわかります。
ファンドの実質コストを比較する場合は実質コスト率で比較する必要があります。運用報告書に実質コスト率が記載されていることもありますが、率が記載されていないことも多いため、他のファンドと比較するためには自分で算出する必要があります。
実質コスト率は実質コストを平均基準価格で割ることで求められます。
平均基準価格は、信託報酬額を信託報酬率で割ることで求められますので、
実質コスト÷(信託報酬額÷信託報酬率)
となります。
SMT 新興国株式インデックス・オープンの第11期 (決算日 2014年11月10日)の運用報告書を参考に見てみると、
1万口当たりの費用明細に信託報酬額が75円、その他費用を含めると142円と記載されています。信託報酬率は目論見書に0.648%と記載されてますので、計算すると、
142÷75÷0.648=0.01227=1.227%
となります。