海外勢の日本株保有期間は、短期組の場合平均3ヶ月だと言われています。
昨年日銀が追加緩和を発表した直後の11月
海外勢は1兆2600億円買い越しましたが、翌年1月に約6割相当が売却されており
これらは主に短期組が利確したものと思われます。
しかしその後、5月までに3兆5000億円買い越し、日経平均2万円乗せの原動力になりました。
6月~7月はギリシャ問題や中国の株安が引き金となり、一時世界的な株安に陥りましたが
その間の海外勢は5000億円の売り越しに止まっています。
つまり8月第1週の買い越し分2670億円を加えると
この時点で3兆2670億円の買い越しとなっており
8月第2週~第4週の売り越し額1兆4250円を差し引くと
8月29日時点の買い越し額は1兆8420億円という計算になります。
因みに、8月第4週の先物を含めた投資主体別売買動向は、海外勢が1兆8830億円売り越しており
一週間の売り越し額としては2004年以来11ぶりの規模だそうです。
ところで、話を「8月29日時点の買い越し額1兆8420億円」に戻しますが
海外勢でも長期投資組は保有を続けているか、或はこの際買いに回った投資家も居る筈です。
例えば長期投資専門のバリューファンドが
この暴落時に特定の銘柄を大量に買い付けた事例もあるので
1兆8420億円全てが売却予備軍という訳ではありません。
そこで8月第4週と、今週の株価指数(変動幅)を検証してみました。
8月第4週 9月第1週
日経平均 -300円 < -1344円
TOPIX -23.21 < -105.27
日経JQ平均 -108.00 > -97.14
東証マザーズ -33.36 < -79.28
ご覧の通り、9月第1週の方が指数は大きく下落しています。
ここで考えられることは
①8月第4週の海外勢は7070億円(先物除く)の売り越しでしたが、9月第1週はその額を上回った
②先週以上に、今週は買い手不在となった
③新たな追証の投げが出た
④今週は海外勢の売り仕掛けが活発化した
何れにしても海外勢が保有する現物の売りはほぼ一巡したと考えて良いのではないでしょうか。
ところで、今日の日経平均株価は一時17600円に近づきましたが
個人的には当面の底を打ったのではないかと考えています。
ただ今日もABNクリア証券が先物を大量に売買しており、少々キナ臭さは残ります。
http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/invest_tool/futures/futures_top.asp
結局米国の利上げが決定するまで不安定な相場は続きそうですが
決して気後れせず、半年先を見据えた中長期プランを立てる、絶好の機会と捉えるべきでしょう。