いつだったか、小説専門誌の大トリに高橋源一郎の作品があった。
ページをめくってみて、数行読んだところでページをたたんだ。
それだけで、彼の作品の怖さがわかったからだ。
9/2(水)Eテレ「100分de名著」に、この源ちゃんが出ていた。
太宰治「斜陽」について、オモロイ話をしてくれていた。
TVで視ている分には、本当にオモロイ人なのに。
彼の作品が怖いといっても、
スティーブン・キングのようなオカルト的なモノを書くからではない。
それがいわゆる「壊れた小説」というシロモノだから、すっごく怖いのだ。
「どーかしちゃったんじゃないの?」っていう、得体の知れないその怖さ。
その昔、少年ジャンプだったかチャンピオンで人気のあった某漫画家が、
ある日を堺に、絵が急激に壊れて黒のひと筆書きになった、あの恐怖に通じるものがある。
その某漫画家は、仕事のしすぎで精神に変調を来していたのだった。
源ちゃんって、大丈夫なんだろうか。。
そんなことを時々、想っていたりした。
ところがある書籍を読んで。
源ちゃんは狂ってなんかいないんだということがわかったのだった。
★「小説の読み方、書き方、訳し方」
柴田元幸・高橋源一郎 河出文庫 740円+税 2013.4.20.初版
源ちゃんは、「壊れた小説」というシロモノが大好きなだけだった。
この書籍の中で、他の「壊れた小説」を書く作家と作品を紹介していた。
「すっげー、この小説、ぶっ壊れてるー!」
っていう快感を得るのが趣味らしいと、わかった。
そんなことを言われると、
オイラもだんだんその気になってきて、
「壊れた小説」っていうのを、読みたくなってくる。
彼の紹介の中で、オイラの嗅覚に反応して浮上してきたのは、
小島信夫という作家で、「残光」という作品。
絶対に読む。