ナンパオの大本が始皇帝ということで、
前々からどんな人なのか興味があった。
そんな折、フラリと立ち寄った古本屋で、
「始皇帝 ~中華帝国の開祖~」という書籍を見つけた。
半年以上、積ん読になっていたが、このあいだ読んでみたら、
なんとこれが大変にオモロイ。
始皇帝という人は、毀誉褒貶が大きいとは聞いていた。
この書籍を書いたのは、安能努(あのうつとむ)という人で、
相当な始皇帝ファンらしい。
かなり好意的な視点で、始皇帝のことを描いている。
★「始皇帝 ~中華帝国の開祖~」
安能務著 文春文庫 1998.8.10.第1刷
始皇帝は、万里の長城ほか、土木工事のやり過ぎで
人民から恨みを買っていたという説がある。
著者はこれに反論。
土木作業に引っ張り出されたのは、
不正を行った役人を主とした関連者であって、
真面目な一般人には手を出していないのだという。
また、始皇帝は冗談の通用しないクソ真面目な人だったという。
ほとんど不眠不休で仕事をしたのだという。
その主な仕事は、不正を行った役人の摘発だったらしい。
なんとなく、現在の習近平に姿がダブって見える。
南シナ海で砲台をこしらえているのが江沢民一派だったら、
物事がはっきりしてわかりやすいのだけれども、
実際のところは、どーなんだろうか。
この著者によると、
秦が滅びたのは、始皇帝亡き後の跡目争いのこじれが元凶だという。
始皇帝の嫡男が、陰謀にあって謀殺されてしまったのだという。
いかさまでこしらえた皇帝は、幼く実権もなく、
結局、首謀者によってこれまた謀殺される。
この隙を突かれて、秦は滅亡したという話であった。
その後は、北方謙三親分などが書いている三国志になっていく。
PS1:ネットでは、始皇帝が国民の恨みを買ったために滅んだという説を見た。
けれどもオイラは、安能務の説を信じたい。
そして、オイラの背後霊になっていただきたいw
PS2:ナンパオの原姿について、何か詳しいことが書いてあるかと期待したが、
徐福など利用して、不老不死・仙人の薬を探し出すという件しか書かれていなかった。