若い血汐の予科練は、七つ釦は、櫻に錨。
今日も飛ぶ飛ぶ、霞ヶ浦にゃ、でっかゐ希望の雲が湧く。
出所、(若鷲の歌)西条八十作詞
薩摩半島の南端に、国立公園指宿市魚見岳といふ風光明媚な所があるのですよ。錦江湾が見渡せて、知林ヶ島や名もない小島も見渡せます。しかし風景が美しゐだけのところには非ず。
山のしたは海岸に面した断崖で、そこに指宿海軍秘密基地が、あったのです。
これは、岸壁にトンネルを掘って、そこに神風機を隠していたのですよ。
いはゆる「下駄ばき」水上機。二式水上機といふやふな世界に誇る戦闘機もあったけど、そのほかは、零式水上観測機(いはゆるゼロ観、二葉機)。名前がでてこなひよな水上艇(これは、輸送機ぢゃなひか)といった水上機を沖縄戦に特攻させたのですよ。
航空司令部があった松林のなかに、いまは記念碑と記念品、写真、遺書などを陳列してあるショゥ・ウィンドウがありまする。写真を見てみると、皆で水上機をレールを使って、海に出すところや、沖合に向かって出師・去ってゆく機に軍帽をふって別れを惜しむセピア色した写真が飾ってあります。遺書も堂々たるものだよなぁ。
ひとつ僕の注意をひいた手紙は、おとうとを特攻で喪った姉の手紙である。
その弟は、福井か、どこかの町の出身で、休暇で帰郷した。
白い海軍の制服。金モール。櫻に錨の七つ釦。腰に差した短剣。その下の弟は、たちまち眩惑されて、「兄ちゃん。カッコいいよ。俺も中学でたら、海軍に志願するぞー。」といふと、
「お前は、来るなっ!」と鬼のやふな形相に、この長男は、なったらしひ。
「銃後に居て父母を護れ。」。
姉は、このときの弟の剣幕を忘れることは、できなかったらしひ。手紙は、たしか「弟は弟なりに戦局の行く末がわかっていたのでしょう。」と結ばれておりまする。
◎豪ドル売り。ユーロドル売り。やふやく落下中。ただし、これは、人民元切り下げを、消化していない動きと見まする。本当の動きに非ず。なぜか?ビッグ・プレイヤーが不在だから。みんな休んでますって。Holidayは、読んで字の如し。聖書の安息日のごとし。本邦における、お盆の如し。