世界中の投資家は低金利市場の運用に困り、消去法的に株を買っているということでしょう。
つまり米国の金利引き上げが現実になるまでは「ババ抜き」状態が続き
利上げの時期が確定すればさらなる調整が待ち受けているのではないでしょうか。
FOMCが開かれる度に、その都度市場は利上げを織り込みつつあるという報道もありますが
実際は殆ど織り込んでいない可能性だってある訳で
私が過去に何度も騙されたパターンになりそうな嫌な予感がして仕方ありません。
何故かというと、5月にイエレン議長が金融市場の過熱気味の運用に待ったを掛けたにも関わらず
市場は利上げ時期にしか興味を示さず今日に至っているからです。
だからこそ、冒頭に書いた通り、世界中の投資家は低金利市場の運用に困り
消去法で仕方なく株を買っているとしか思えないのです。
この様な状況のまま米国の金利が引き上げられると
PERなど現在の株価指標は一旦白紙撤回されかねません。
つまりPER16倍が割安か割高かという問題では無く
指標の基準そのものが変化する可能性があり、PER14倍でも割高になるかも知れません。
株価は需給のバランスで決まる訳ですから、至極当然のことだと思います。
ただ幸いなことに、日本株は日銀やGPIFが買い支えているので、海外勢も乗らない手はありませんし
それが今の日経平均株価を支えている原動力だと思います。
ここでも世界中の投資家は積極的に日本株を買いたくて買っているのではなく
日本政府が株価対策に一枚噛んでいるからこそ、割り切って買っているに違いありません。
では官制の買いが何時まで続くのかという点が大きな問題ですが
一説によると2015年度末で、日銀以外の安倍支援部隊は資金が尽きるとも言われています。
勿論日本郵政GPが上場後、新たに日本株投資へのウェイトを引き上げる可能性はありますが
何れにしても官制相場の反動が訪れるのは時間の問題です。
しかもその時期は米国の利上げ時期と重なる可能性が極めて高く
少なくとも2016年の株式市場は、個人投資家にとって試練の年になる様な気がします。
今頃来年の予想をするのはあまりにも時期尚早ですが
米国の利上げ時期が明らかになれば、次第に株式市場の近未来が見え始めると思います。
因みに、国内は安倍内閣の支持率回復が株価上昇の必要条件だと考えていますが
安保法案やTPP問題で落ち込んだ支持率を挽回するためには
それ相応の経済対策が不可欠ではないかと感じています。
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さてまたまた中国がクシャミをして世界の株式市場が風邪を惹いてしまった様ですが
NY市場が好決算に連動していないところをみると
やはり利上げに対する警戒感が根強く、早めにポジションを解消して
夏季休暇を満喫しようという動きが活発になっているのではないでしょうか。
しかも、当然日本株にも同様の傾向が表れることは容易に想像出来るので
日経平均が再び2万円を切るのは時間の問題だと思います。
とにかく今は経済指標よりも。原油価格を初めとした資源価格の推移。
新興国や資源国の金融政策=為替。中国の株価対策。さらには需給が重要だと考えます。