最近「みんかぶ」会員さんで、自ら初心者だと仰る方を沢山お見受けします。
確かにこの2~3年、アベノミクス相場の影響で市場参加者は増加の一途を辿っていますから
株式投資の初心者さんが増えるのは当然です。
しかも、それはアベノミクスの意図するところであり、国を挙げて株価対策に取り組むから
利息の知れている銀行預金や箪笥に仕舞ってあるヘソクリで株を買いましょう!という訳ですが
株式投資はそう簡単に儲かるものではありません。
特に日経平均が2万円を超えると益々難しくなると思います。
そこで、初心者の方々に
そろそろ「個人投資家の憐れな末路」について再度お話して置く必要があると感じましたので
少しばかり講釈を垂れることにしました。<(_ _)>
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➡株を始める時は誰もが多くの夢を描いています。
株で儲けて美味しいものを食べたい、旅行したい、家電や車を買い替えたい
貯金したい、家を建てたい・・・・・等々
しかしこうした夢は99%儚い夢に終わるということを、先ず最初にご忠告して置きます。
さらに9割の人には、以下の様な厳しい現実が待ち受けていることでしょう。
株で損をすれば外食どころかパンの耳の有り難さが身に染みる様になる
株で損をすれば旅行どころかTVで旅番組を見る度に後悔することになる
株で損をすれば貯金どころか借金地獄が待っている
株で損をすればエアコンの故障は扇風機で我慢、扇風機の故障は団扇で我慢することになる
株で損をすれば新車を買うどころか、あと数回車検を受けることになる(車が残ればまだマシ)
そして極め付けは「株にさえ手を出さなかったら家が2~3軒建っていた」(>_<)
この日記は決して初心者さんの夢をぶち壊すことが目的ではありません。
それどころか、むしろ夢を実現して頂きたいからこそ
甘い考えで株式投資を始めると、極めて高い確率でこの様な厳しい現実が待ち受けていることを
予め知って置いて欲しいのです。
まず個人投資家は機関投資家に比べ、資金量・情報の質・情報の量・情報入手のスピード
さらにはトレード環境などで大きなハンディを背負っています。
例えば我々がニュースでサプライズ情報を知った時は、機関投資家にとって絶好の売り場となり
個人投資家の多くが高値掴みを強いられ、しばしば損切りか塩漬けという運命が待っています。
この様に株の世界は資金力や情報力を持つ者が勝つ仕組みになっているうえに
パイの奪い合いですから、当然個人投資家が資産を減らすことになります。
因みに私達は証券会社に手数料を払って株取引を行うので当然顧客という立場ですが
彼等には個人の手口が全て解かりますから、決して顧客の味方ではなく
むしろ一機関投資家だと考えれば敵という存在でもある訳です。
つまり株式投資の世界では、自分以外は皆敵だと考えて置くべきです。
そこで個人投資家が生き残る為にはそれなりの心構えが必要になります。
①資金を増やすことより減らさないことが大事(マイ・ルールを作る)
株式投資は資産の運用ですから、損をするくらいなら手出し無用です。
「損切り」が重要だと言われるのはそのためですが
こうした資金管理が円滑に行える様、予め「マイ・ルール」を作って置くことをお勧めします。
②資金管理の重要性
投資が資産の運用である以上資金管理は極めて重要です。
投資環境(地合いや資金の流れなど)は日々刻々と変化していますから
年間の利益目標に対する進捗度を常に把握し
その時点で考えられるベストの選択を行う必要があります。
従って資金管理は単なる金銭出納ではなく、資金効率を見直すことが目的なので
投資先・資金配分・投資期間などを随時修正しながら年間目標を達成する重要な手段です。
③投資のスキルを磨く(努力せずに儲かるほどこの世界は甘くない)
株式投資に不可欠なものは才能ではなくスキルなので
勝ち組になるためにはそれなりの努力(スキルアップ)が必要です。
例えば判断力や決断力は経験や情報量に相関するため
自らの貴重な体験は必ず記録して置くことが大事です。
④相場の歴史を学ぶ
相場の歴史を学ぶことによって相場観を養うことが出来ます。
例えば突然大きな株価変動が起こっても、過去の事例を知っていれば慌てることはありません。
自らの体験を記録(記憶)して置くことも重要ですが
折角先人が残してくれた歴史(教訓)を生かさない手はありません。
⑤弱点を失くす(他力本願や衝動買いは禁物)
市場に氾濫している情報は無責任なものが多いので
投資をする時は自分自身で調べ、自分自身で判断する習慣を身に付けるべきだという意味です。
つまり依存心が強い・決断力が弱い・政治経済に無関心などは投資に於いて致命的な弱点です。
一つでも心当たりのある人は弱点を矯正することが先決です
⑥株は心理戦だということを忘れずに
最も解かり易い心理戦は板の操作や仕手筋による篩い落としです。
またNET上には仕手筋が売り抜けるための仕掛け(偽情報)も沢山あるので
甘い情報にうっかり騙されず、常に自分で確かめる習慣を身に付けることが大切です。
おまけに如何わしい投資顧問の有料情報に飛び付くと、二重の損害を被りかねません。
⑦勝率に拘ったら負け
勝率に拘ると必ず損切りのタイミングを逸します。
投資は資産の運用ですから、目的は年間収支をプラスにすることです。
つまり勝率ではなく、年間トータルの勝敗が全てだということを肝に銘じて置くべきでしょう。
⑧投資は余裕資金の範囲内で行い、有事に備え予備資金を必ず温存して置く
相場全体対が暴落した時や、個別銘柄の買い下がりに備える為です。
常に資金を目一杯使っていると、相場が暴落した時一気に資産を失うことになります。
⑨安く買って高く売ることばかり考えない
「株は安く買って高く売るもの」と言われますが、そんなことが出来る人は超能力者です。
勿論1円でも安く買い、1円でも高く売れるに越したことはありませんが
多くの場合結果論に過ぎません。
ですから「株は買う時も売る時も反転したタイミングを見極めて売買する」が正解だと思います。
株価チャートはそのタイミングを把握するための材料です。
⑩得意分野を育成する(強みに磨きをかける)
自分が携わっている仕事や趣味に関する領域は、情報の量・質・スピード等で強みがあります。
弱みを失くすことは先に述べましたが、強みを生かすことも投資には極めて有効です。
特に今から株式投資を始めようと考えている人や、始めたばかりの人は
こうした得意分野への投資から入るのが無難だと思います
⑪相場の方向性が分からない時は休む
相場に終わりはありません。株中に罹って止められない人は両建てという方法もありますが
「休むも相場」という格言を肝に銘じて置きましょう。